1. システム導入の前に

1.1. システム構成の決定

千手システムを導入する前に、千手システムのソフトウェア構成を決定する必要があります。 決定したシステム構成をもとに、必要なソフトウェアの導入及び設定を行うことにより、千手システムは機能します。

1.1.1. システム構成

千手システムは、千手ブラウザ、千手マネージャ、千手エージェント、千手データベースサービス、千手ウェブサービス、千手センサーや千手構成ファイルサーバーから構成されます。(千手センサーは、千手システムコンポーネントのインストールを必要としません。)

1.1.1.1. 千手ドメイン

1台の千手マネージャが管理する範囲を千手ドメインと呼びます。

千手システムでは、1台の運用管理サーバー(千手マネージャ)と、その運用管理サーバーに管理される管理対象ノード群(千手エージェント、千手センサーなど)を1つの千手ドメインとして扱います。

1.1.2. 千手ブラウザ(運用管理コンソール)

千手ブラウザパッケージをインストールします。

千手マネージャに接続し、システム管理者や運用オペレータが千手システムの運用、監視、管理などの操作を行うことができます。

1.1.3. 千手オフライザ

千手オフライザパッケージをインストールします。

千手マネージャに接続せずに、モニタリング、ジョブスケジュールや千手エージェント定義を登録することできます。

1.1.4. 千手マネージャ(運用管理サーバー)

千手マネージャパッケージをインストールします。

千手ドメイン全体を管理し、千手システムが稼働するために必要となる情報が一元的に保持されているノードです。

1.1.5. 千手エージェント(管理対象ノード)

千手エージェントパッケージをインストールします。

千手マネージャから管理され、モニタリングやジョブを実施するノードです。また、プローブノード、SNMPコレクタ、千手構成ファイルサーバーとして設定することが可能です。

1.1.6. 千手データベースサービス

千手DBコンポーネントをインストールします。

千手システムが収集したモニタリングやジョブの履歴データなどを蓄積、管理する千手データベースサービスが稼働するノードです。キャパシティ、ジョブレポート、ジョブアクティビティ機能、および、千手ウェブサービスで利用します。データベースシステムとして、Microsoft SQL Serverを使用します。

1.1.7. 千手ウェブサービス

千手DevOpsポータル機能として、WEBコンソールからの接続機能を提供するサーバーです。

1つの千手ドメインに最大2台(プライマリウェブサービス、セカンダリウェブサービス)を構築できます。 千手WEBコンポーネントをインストールします。

1.1.7.1. プライマリウェブサービス

千手DBコンポーネントをインストールしたノードに千手WEBコンポーネントをインストールしたサーバーです。

千手ウェブサービスを利用するには、プライマリウェブサービスが必要です。

1.1.7.2. セカンダリウェブサービス

千手DBコンポーネントをインストールしていないノードに千手WEBコンポーネントをインストールしたサーバーです。

プライマリウェブサービスが稼働している場合に利用できます。

1.1.8. 千手DevOpsポータル

千手DevOpsポータルは、1つのノードに千手DBコンポーネントと千手WEBコンポーネントをインストールしたノードです。

WEBコンソールからの千手システムの操作・参照する機能を提供するサーバーです。また、複数の千手ドメインの情報を1台の千手DevOpsポータルで管理することができます。

1.1.9. 千手センサー

千手センサーは、千手システムのパッケージをインストールせずに管理対象となるノードです。プローブノードとして指定した千手マネージャまたは千手エージェントからモニタリングやジョブを実施します。

ノードにより、千手センサー(サーバー)、千手センサー(ネットワーク)、千手センサー(カスタム) のいずれかで登録します。

1.1.10. WEBコンソール

Webブラウザを使用して、千手ドメインの管理項目の参照や日々蓄積される千手稼働状況の参照を行う機能です。

1.1.11. その他

すでにインストールされている、千手マネージャや千手エージェントに設定することで動作する機能があります。

1.1.11.1. 千手構成ファイルサーバー

千手マネージャのログファイル(メッセージログ、オペレーションログ、統計データ)及び、コンフィグレーションサブシステムによって取得された千手構成管理項目/構成管理項目の収集ファイルの情報が一元的に蓄積されている千手エージェントノードです。

1.1.11.2. SNMPコレクタ

SNMPエージェントからのSNMPトラップを受信するノードです。

1.1.11.3. マルチエージェント

マルチエージェントは、1台のマシンに複数の千手エージェントを構築することを可能にした機能です。1台のデフォルトエージェントと複数のサブエージェントで構成されます。

この機能により、インストールした千手エージェントは個別の運用管理サーバーで管理することが可能です。

1.1.11.4. プローブノード

千手センサーでモニタリングやジョブを実施するノードです。

千手センサーに、千手マネージャまたは千手エージェントをプローブノードとして指定します。

1.2. 千手システム構成上の制限

  • 千手ブラウザ(運用管理コンソール)
    1つの千手ドメインに最低1台必要です。ライセンスで同時に千手マネージャ接続できる数(最大30台)が制限されます。

    対応OSは、Windowsのみです。

  • 千手オフライザ
    稼働数の制限はありません。

    対応OSは、Windowsのみです。

  • 千手マネージャ(運用管理サーバー)
    1つの千手ドメインに1台必要です。

    対応OSは、LinuxとWindowsです。

  • 千手エージェント(管理対象ノード)
    1つの千手ドメインに複数構築できます。ライセンスで登録できるノード数が制限されます。

    対応OSは、Linux/UNIXとWindowsです。

  • 千手データベースサービス
    1つの千手ドメインに構築できる数は1台です。ライセンスで千手データベースサービスの使用が制限されます。
    対応OSは、Windowsのみです。

    注釈

    千手マネージャ、または、千手エージェントと同一ノードに構築します。

  • 千手ウェブサービス(千手DevOpsポータル)
    1つの千手ドメインに構築できる数は最大2台(プライマリウェブサービス、セカンダリウェブサービス)です。ライセンスで千手ウェブサービスの使用が制限されます。
    対応OSは、Windowsのみです。

    注釈

    1台目の千手ウェブサービス(プライマリウェブサービス)は、千手マネージャまたは千手エージェントで稼働している千手データベースサービスと同一ノードに構築します。

  • 千手DevOpsポータル
    1つの千手ドメインに構築できる数は1台です。
    1台のマシンに最大5台の千手DevOpsポータルを構築できます。これは、マルチエージェントの制限に準拠します。
    対応OSは、Windowsのみです。

    注釈

    1つの千手ドメインに、1つの千手DevOpsポータルと1つの千手ウェブサービスを設けることができます。

    同一バージョンの複数の千手ドメインの情報を1台の千手DevOpsポータルで管理することができます。

  • 千手センサー
    千手センサー(サーバー)は、監視対象のOSが千手エージェントの対応OSに準じるときに選択します。千手センサー(ネットワーク)は、監視対象が千手センサー(サーバー)に該当しないときに選択します。千手センサー(カスタム)は、監視対象がクラウドサービスなど、ノード以外の場合に選択します

    また、千手センサー(サーバー)、千手センサー(ネットワーク)、千手センサー(カスタム) について、ライセンスでそれぞれを登録できる数が制限されます。

  • 千手構成ファイルサーバー

    1つの千手ドメインに構築できる数は1台です。

  • SNMPコレクタ

    ライセンスで、SNMPコレクタの登録数が制限されます。

  • マルチエージェント

    1台のマシンに最大5台の千手エージェント(1台のデフォルトエージェントと4台のサブエージェント)を構築できます。(千手マネージャと共存する場合は4台のサブエージェントを構築できます。)

  • プローブノード

    1つのプローブノードで管理する千手センサーの台数は50台以下を推奨しています。

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1.3. システム構成と利用可能な機能

千手データベースサービス、千手ウェブサービス、千手構成ファイルサーバーはシステム構成により利用可能な機能が違います。 以下に千手システム構成と利用可能な機能を説明します。利用可能な機能を確認の上で、千手システムの構成を決定して下さい。

  • システム構成の例
    1. Windows版千手マネージャ(千手データベースサービス)

    2. Windows版千手マネージャ+Windows版千手エージェント(千手データベースサービス)

    3. Windows版千手マネージャ(千手データベースサービス+千手ウェブサービス)

    4. Windows版千手マネージャ+Windows版千手エージェント(千手データベースサービス+千手ウェブサービス)

    5. Windows版千手マネージャ(千手データベースサービス+千手ウェブサービス) +Windows版千手エージェント(千手ウェブサービス)

    6. Windows版千手マネージャ(千手データベースサービス+千手ウェブサービス+千手構成ファイルサーバー)

    7. Windows版千手マネージャ+Windows版千手エージェント(千手データベースサービス+千手ウェブサービス+千手構成ファイルサーバー)

    8. Windows版千手マネージャ+Windows版千手エージェント(千手データベースサービス+千手ウェブサービス) +Windows版千手エージェント(千手構成ファイルサーバー)

    9. Windows版千手マネージャ+Windows版千手エージェント(千手データベースサービス+千手ウェブサービス) +Windows版千手エージェント(千手ウェブサービス) +Windows版千手エージェント(千手構成ファイルサーバー)

    10. Linux版千手マネージャ+Windows版千手エージェント(千手データベースサービス)

    11. Linux版千手マネージャ+Windows版千手エージェント(千手データベースサービス+千手ウェブサービス)

    12. Linux版千手マネージャ+Windows版千手エージェント(千手データベースサービス+千手ウェブサービス+千手構成ファイルサーバー)

    13. Linux版千手マネージャ

    14. Linux版千手マネージャ+Windows版千手エージェント(千手構成ファイルサーバー)

表 1.1 システム構成の例

構成例番号

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

千手マネージャOS種別

Win

Win

Win

Win

Win

Win

Win

Win

Win

Lnx

Lnx

Lnx

Lnx

Lnx

千手マネージャの機能

D

DW

DW

DWC

千手エージェント A の機能

D

DW

W

DWC

DW

DW

D

DW

DWC

C

千手エージェント B の機能

C

W

千手エージェント C の機能

C

注釈

表中の記号の意味は以下の通りです。なお、表中の千手エージェント A, B, C はすべてWindows版です。 表中の DW 表記は千手DevOpsポータルと同義です。

  • Win: Windows版千手マネージャ

  • Lnx: Linux版千手マネージャ

  • D: 千手データベースサービス

  • W: 千手ウェブサービス

  • C: 千手構成ファイルサーバー

表 1.2 システム構成の例における使用できる機能

機能

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

キャパシティ(グラフの表示)

×

×

コンフィグレーション(収集データの保存)

×

×

×

×

×

×

×

×

WEBコンソールでの操作・参照

×

×

×

×

×

WEBコンソールでの履歴収集データの参照

×

×

×

×

×

WEBコンソールでの構成管理情報の参照

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

1.4. システムのパッケージ一覧

千手システムのパッケージ一覧を記載します。 インストールする際に適切にパッケージを選択してインストールしてください。

表 1.3 千手パッケージ一覧

パッケージ名

OS

機能

senju_mgr-2200-nn-linux-x64-nnnnnnnn.bin

Linux

千手マネージャパッケージ

senju_agt-2200-nn-linux-x64-nnnnnnnn.bin

Linux

千手エージェントパッケージ

senju_agt-2200-nn-hpux-ia64-nnnnnnnn.bin

HP-UX

千手エージェントパッケージ

senju_agt-2200-nn-solaris-sparc-nnnnnnnn.bin

Oracle Solaris (sparc)

千手エージェントパッケージ

senju_agt-2200-nn-solaris-x64-nnnnnnnn.bin

Oracle Solaris (x86)

千手エージェントパッケージ

senju_agt-2200-nn-aix-ppc-nnnnnnnn.bin

AIX

千手エージェントパッケージ

senju_mgr-2200-nn-windows-x64-nnnnnnnn.exe

Windows

千手マネージャパッケージ

senju_agt-2200-nn-windows-x64-nnnnnnnn.exe

Windows

千手エージェントパッケージ

senju_sdb-2200-nn-windows-x64-nnnnnnnn.exe

Windows

千手DBコンポーネント

senju_web-2200-nn-windows-x64-nnnnnnnn.exe

Windows

千手WEBコンポーネント

senju_brw-2200-nn-windows-x64-nnnnnnnn.exe

Windows

千手ブラウザパッケージ

senju_ofl-2200-nn-windows-x64-nnnnnnnn.exe

Windows

千手オフライザパッケージ

注釈

パッケージ名は次のような意味を持ちます。
  • (プロダクト名)-(内部バージョン)-(リリースナンバー)-(OS)-(アーキテクチャ)-(リリース日)

  • リリースナンバーが新しいものが最新のパッケージになります。

参考

各OSのサポートバージョンは、リリースノートを参照して下さい。

1.5. サポートする文字コード一覧

千手システムの対応する文字コード一覧を記載します。 インストールする際に文字コードを選択してインストールしてください。
表 1.4 千手マネージャ

OS

使用可能文字コード

Linux

EUC(ja_JP.EUC)

Windows

SJIS

表 1.5 千手エージェント

OS

使用可能文字コード

Linux

EUC(ja_JP.EUC)

Linux

UTF-8(ja_JP.UTF8)

HP-UX

SJIS(ja_JP.SJIS)

Oracle Solaris (sparc)

EUC(ja_JP.EUC)

Oracle Solaris (x64)

EUC(ja_JP.EUC)

AIX

SJIS(ja_JP.SJIS)

Windows

SJIS

注釈

  • UTF-8をサポートする千手エージェントはLinuxのみです。

  • Windowsパッケージのサポートする文字コードはSJISのみです。

  • OSがRed Hat Enterprise Linux 8、Ubuntuの場合、デフォルトで使用できるロケールに日本語が含まれていない場合があります。日本語ロケールがない場合、使用する日本語ロケールのインストールをしてください。