7.4. ジョブスケジュール

  1. ジョブの一時停止指定解除

    問題

    ジョブモニタで、ネットの直下のジョブに一時停止指定され、ジョブが稼働して一時停止ステータスになった後、ジョブの起動予定時刻を現時刻より先に設定して、上位のネット指定で一時停止を解除すると、ジョブの色は、一時停止のままで、ネットの色が稼働中、フレームも稼働中のステータスになります。

    このとき、ジョブを指定して一時停止解除ができない問題があります。

    対策

    一旦起動予定時刻を解除してから一時停止を解除して下さい。

  2. 更新中ファイルのファイル転送

    問題

    ジョブテンプレートの「ファイル転送(ディレクトリ指定)」、「ファイル転送(ファイル指定)」を使用してファイル転送を実施する場合、転送元ファイルが更新中の場合(他プロセスで書き込み中など)、ファイル転送が正常に完了せず、ジョブが稼働中のままになる場合があります。

    対策

    転送元ファイルには、更新中のファイルを指定しないで下さい。

    本現象が発生した場合、ジョブモニタのランチャートよりジョブを強制停止して下さい。

  3. リソースを使用したジョブ/ネットのデッドロック

    問題

    リソースは外側のネットから内側のジョブ/ネットという順序で獲得しますので、リソースを用いてジョブ/ネット同士を排他させる場合には、ネットとネット内部のジョブ/ネットといった階層毎に同じリソースを使用しないとリソースの獲得が競合してデッドロックが生じるケースがあります。

    例)

    • フレームAのネットAにリソースYを、ネットA内のジョブAにリソースZを指定。

    • フレームBのネットBにリソースZを、ネットB内のジョブBにリソースYを指定。

    例では、ネットA、ネットBは各々リソースを獲得できますが、ネットAのジョブAに指定されたリソースZはネットBに、ネットBのジョブBに指定されたリソースYはネットAに占有されています。

    結果的にジョブAとジョブBは相互にリソースの獲得ができず、ネット同士はデッドロック状態になります。

    デッドロックの発生を定義時には検知していません。

    対策

    階層が異なるジョブ/ネット間で同一のリソースを使用している場合、リソースの獲得順序とジョブ/ネットの起動順序を考慮してデッドロックを回避して下さい。

    例)

    • フレームAのネットAにリソースYを、ネットA内のジョブAにリソースZを指定。

    • フレームBのネットBにリソースYを、ネットB内のジョブBにリソースZを指定。

    例ように外側のネットからネットの内側に向けて階層毎に同じリソースを指定することでデッドロックを回避できます。

  4. リソースを使用したネット配下のジョブ/ネットの初期化後の再ランで稼働しない

    問題

    下記手順を実施した場合、ジョブ/ネットを再ランしても稼働しません。

    手順

    1. リソースを付与されている(上位)ネットを正常終了もしくはスキップ終了させる

    2. 「1.」で終了させたネット配下のジョブ/ネットを初期化する

    3. 初期化したジョブ/ネットを再ランさせる。

    対策

    リソースを付与されている(上位)ネットを再ランする。もしくは、初期化したジョブ/ネットを強制起動する。

  5. トリガのステータスファイルの削除処理

    問題

    フレームが正常終了の状態で状態管理サーバーがダウンした場合、トリガのステータスファイルが消えずに残る場合があります。この場合は、7日(デフォルト)後にもう一度、削除処理が行われますが、この際にも、状態管理サーバーがダウンしているとトリガのステータスファイルが残りつづけます。

    対策

    千手ブラウザのジョブモニタから、手動でトリガを削除して下さい。

  6. ネット・フレームに指定した正常・異常終了時コマンドがリカバリ処理時に再起動する

    問題

    ジョブに指定した正常・異常時コマンドは、リカバリ処理時には実行されませんが、ネット・フレームに指定した正常・異常時コマンドはリカバリ処理時にも実行されます。

    対策

    リカバリ処理時に正常・異常終了時コマンドを実行したくない場合は、ジョブに正常・異常終了時コマンドを指定して下さい。

  7. ジョブのキューイング要因変化時のジョブモニタの表示

    問題

    キューイング中のジョブのキューイング要因が変化した場合(動作環境未稼働→動作環境同時稼働数上限)に、ジョブモニタのランチャート上に表示されるキューイング要因が変更されません。

    対策

    該当フレームの詳細監視設定を解除し、再度設定しなおして下さい。

  8. 異常時ネットに一時停止指定を行い、異常時ネットの前ジョブが正常/スキップ終了

    問題

    一度異常終了した異常時ネットに対して一時停止指定を行った後、異常時ネットの前ジョブを正常/スキップ終了するように設定を変更し、前ジョブに対して再ランを行うと、前ジョブが正常/スキップ終了した後、異常時ネットが一時停止状態になってしまいます。

    対策

    一時停止状態になった異常時ネットの一時停止解除を行うと、異常時ネットはネット内ジョブを起動せずにスキップ終了します。

  9. 動作環境プールの設定がされている動作環境を動作環境再起動コマンドで起動

    問題

    動作環境の稼働ノードに設定されたノードグループが空の場合に、フレーム投入後、空のノードグループにノードを登録して動作環境再起動コマンドで該当動作環境を起動すると動作環境プールの設定が効きません。

    対策

    ノードグループが稼働ノードの動作環境に動作環境プールの設定がされている場合、フレーム投入前にノードグループにノードを登録しておく。

  10. ブラウザから実行システム削除するとツリー表示部にシステム名のみ残存

    問題

    ジョブモニタのツリー表示部に実行システムが表示されたまま、表示されている実行システムに対してブラウザの運用日付下の実行システムから削除を行うと、ブラウザの運用日付下からは削除されますが、ツリー表示部には実行システム名のみ残存したままとなります。

    対策

    ジョブモニタの表示実行システムの設定画面から残存した実行システムを選択し、削除を行って下さい。

  11. UNIX環境で自動サイクル運用が登録されない。

    問題

    自動サイクル運用を設定したシステム名に「修飾数字」「省略数字」「ローマ数字」「単位」が含まれているシステムが同じ運用基準時刻に2つ以上登録されている場合、登録されないシステムが発生するケースがあります。

    対策

    システム名に「修飾数字」「省略数字」「ローマ数字」「単位」が含まれているシステムを自動サイクル運用に設定する場合は、1つずつ異なる運用基準時刻を設定して下さい。

    「修飾数字」⇒ ①、② 等の囲み英数字

    「省略文字」⇒ №、㈱ 等の省略文字

    ㊤、㊦ 等の囲み文字

    「ローマ字」⇒ Ⅰ、Ⅱ 等のアラビア文字

    「単位」 ⇒ ㍉、㌔ 等の単位記号

    ㍼、㍻ 等の年号

  12. ジョブに指定したバッチ内に記載したPerlスクリプトの標準出力がパイプ( | )に渡らない。

    問題

    Windows環境で、ジョブに指定したバッチ内に記載したPerlスクリプト等が、関連付けで起動されている場合、標準出力が、パイプ( | )に渡らない。

    対策

    Microsoft社のWebサイトに掲載されている不具合に該当しますので、バッチを実行される環境で、記載内容にある設定を行って下さい。

    [参考]Microsoftの Webサイト(Microsoft サポート)

    文書番号: 321788
    STDIN/STDOUTリダイレクトは、ファイルの関連付けから起動すると動作しないことがある
    ※文書番号は確認した当時のものになります。最新の情報についてはベンダーにお問い合わせ下さい。
  13. Windows環境でコマンド実行に失敗する。

    問題

    Windows環境で、ジョブとして千手コマンドを拡張子(.exe)付きで実施した場合、コマンド名称によっては実行に失敗する。

    対策

    千手コマンド名の拡張子(.exe)を外して15文字(バイト)以内になるようにして下さい。

    なお、下記の環境の場合にはそれぞれの対応を実施して下さい。

    • 「PowerShellのスクリプトから千手コマンドを実行」の場合

      コマンドの先頭に cmd /c を付与して指定する

    • 「UNIX ベース アプリケーション用サブシステム (SUA) 環境」の場合

      15文字(バイト)以内のシンボリックリンクを作成して指定する

  14. トリガの参照先チェック対象に同一名称のフレームが複数あると正しくチェックできない。

    問題

    複数のシステム内に同一名称のフレームを定義しているとき、それらのシステムを対象としてトリガの参照先チェックを実行すると、該当のフレームのうち、いずれか1つのみチェック対象となります。そのため、それぞれのフレームに別の稼働日カレンダー、動作環境を設定している場合、チェック結果を正しく取得できないことがあります。

    対策

    同一名称のフレームを含む、複数のシステムに対してトリガの参照先チェックを行う場合は、いずれか1つのシステムを選択して実行し、それぞれのチェック結果を確認して下さい。

  15. 千手センサーの動作環境がエイリアス名の場合、WMIによる接続機能を使用するを選択し、コマンド出力取得のための共有名を指定すると共有フォルダに書き出しができない。

    問題

    千手センサーの動作環境がエイリアス名の場合、DNS CNAME エイリアスを使用してた SMB ファイル サーバー共有アクセスが失敗することにより、WMIによる接続機能を使用するを選択し、コマンド出力取得のための共有名を指定すると共有フォルダに書き出しができないことがあります。

    対策

    千手センサーサーバの下記レジストリ キー に別のNetBIOS名をを値のデータとして設定をすることにより、共有フォルダにアクセスできるようになります。

    “HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\lanmanserver\parameters\OptionalNames“

    詳細については、Microsoft サポート オンラインを参照して下さい。

    [参考]Microsoftの Webサイト(Microsoft サポート)

    文書番号: 3181029
    DNS CNAME エイリアスを使用して SMB ファイル サーバー共有アクセスが失敗する
    ※文書番号は確認した当時のものになります。最新の情報についてはベンダーにお問い合わせ下さい。