3.7. バージョン2014.0.0の新機能

バージョン 2014.0.0には主に以下の新機能があります。

3.7.1. 共通機能

  • ネーミングポリシー機能

    ジョブスケジュールやモニタリングサブシステムにおいて、各オブジェクトを名称でフィルタリングして、オブジェクトの追加・削除・参照を制御する機能を追加しました。 大規模な定義で運用している環境や複数の担当者が同時に利用している環境で自分の担当する範囲の定義を参照することや、ネーミングルール等による定義の名称制限をチェックすることが可能となります。

  • 高度正規表現対応

    ログ監視(監視対象ファイル名、ログフィルタの判定条件)、メッセージアクションのルール条件等の正規表現を利用している機能について、基本正規表現に加えて、高度な正規表現に対応しました。 マルチバイト文字を指定した正規表現など、より高度な正規表現を用いて千手の各機能を利用することが可能となります。

  • 千手リセット/リストア機能

    千手マネージャのリセット(定義の初期化)およびバックアップファイルのリストアを実施するコマンドを提供します。 DR環境など運用を開始したあとの千手マネージャに対して、バックアップした定義ファイルをリストアすることで定義の同期を行うことが可能となります。

  • 関係する項目表示機能強化

    ジョブスケジュールサブシステムの各オブジェクトやログフィルタなどから表示することができる「関係する項目一覧の表示ウィンドウ」について、表示されている項目名のコピーおよび表示されている項目へのジャンプが行えるようになりました。 関連する項目の調査や編集を行う上での利便性が向上しました。

  • データ読み込み時の変更概要コピー機能

    千手ブラウザおよび千手オフライザで定義を読み込んだ際に、各オブジェクトの読み込み結果や差分の詳細情報をコピーする機能を追加しました。 データ読み込みの情報の確認を行う上での利便性が向上しました。

  • 外部認証機能強化(Active Directory)

    千手ブラウザや千手WEBコネクションでログインする際に、Active Directoryとの連携が柔軟に行えるように機能改善しました。

  • WEBコンソール(インフォサーチ)のダッシュボード機能

    WEBコンソール(インフォサーチ)に、千手ドメインの運用状況について1日/1週間/1か月の期間を選択してグラフで表示する機能を追加しました。 Senju Operation Conductorの日々のメッセージ発生件数やジョブ実行数などの運用状況について、視覚的に把握することが可能になります。

  • WEBコンソール(インフォサーチ)の千手稼働統計情報の検索・グラフ表示機能

    WEBコンソール(インフォサーチ)に、過去の千手ドメインの運用状況について千手稼働統計情報を期間指定や統計対象を指定して検索する機能と、グラフ表示する機能を追加しました。 Senju Operation Conductorに蓄積された日々の運用情報を、指定した期間のグラフによる運用レポートとしてWEBから参照することが可能になります。

  • WEBコンソール(インフォサーチ)のオペレーション履歴機能

    千手ブラウザによる、オペレーションログをデータベースに蓄積し、WEBコンソールから必要な情報を検索し参照する機能を追加しました。また、検索した結果のオペレーション情報をダウンロードすることが可能となります。

  • WEBコンソール(インフォサーチ)の千手マネージャ停止時のログイン機能

    千手マネージャと千手ウェブサーバー、千手データベースサーバーが分離構成となっている場合に、千手マネージャが停止していても外部の認証サーバーと連携して千手の稼働履歴情報がWEBから検索参照できるようになりました。 千手マネージャに障害が発生し復旧前の状態でも、千手インフォサーチから障害発生時までの運用状況を確認することができます。

  • 千手ブラウザのネットワークパトランプ機能

    千手ブラウザの警報装置設定において、ネットワークパトランプに対してコマンド実行を行うことが可能になりました。 リモートデスクトップ経由で接続した端末から千手ブラウザによる運用を行っている環境でも、ネットワークパトランプを警報装置として利用できるようになりました。

  • WEBコンソール(インフォビュー)のネットワークパトランプ機能

    千手ウェブサーバーの設定において、ネットワークパトランプに対してコマンド実行を行うことが可能になりました。 WEBコンソールによる運用を行っている環境でも、ネットワークパトランプを警報装置として利用できるようになりました。

  • WEBコンソール(インフォビュー)のツリービュー表示改善

    WEBコンソール(インフォビュー)のツリービューについて、Java Runtime Environmentをインストールしなくても表示することが可能になりました。 Java Runtime Environmentを導入できない環境でも、WEBコンソール(インフォビュー)の一部のモニタや設定情報の機能を利用することが可能となります。

  • WEBコンソール(インフォビュー)の詳細監視フレーム設定改善

    WEBコンソール(インフォビュー)のジョブモニタにおける詳細監視フレーム数の上限を、千手ユーザー単位で設定するように変更しました。 千手ブラウザと同様に他のユーザーに影響することなく、詳細監視フレーム設定を行うことが可能となります。

  • ホスト情報の表示機能

    千手エージェントのホスト情報を参照するコマンドを追加しました。 本コマンドにより、千手エージェントのOS情報やCPU情報等のホスト情報を一覧で参照することが可能となります。

  • 千手カテゴリ監視項目の履歴保存設定変更機能

    千手カテゴリの監視項目について、履歴データ保存のデフォルトの設定を変更するコマンドを追加しました。 監視タスクの作成時に履歴保存設定を毎回設定する手間を省くことが可能となります。

3.7.2. イベント

  • 拡張メッセージ送信コマンドおよび拡張メッセージ送信API

    拡張メッセージ送信コマンドおよび拡張メッセージ送信APIを新たに提供します。 これらを利用することによって、付加文言が最大3160バイトのメッセージを送信できるようになり、メッセージに多くの情報を含めて送信することが可能となります。

3.7.3. モニタリング

  • ログ監視の拡張メッセージ送信機能

    ログ監視において、拡張メッセージ送信を行う機能を追加しました。 付加文言が最大3160バイトのメッセージを送信できるようになり、Trap監視のログ等の一行が長いログの監視などでメッセージから必要な情報を確認することが可能となります。

  • ログ監視のメッセージノードID変換機能

    ログ監視において、ログフィルタでログのフォーマットとしてノードIDを表すフィールドを指定しておくことで、監視対象ログファイルの該当フィールドをノードIDとして扱い、メッセージのノードIDとして変換して出力する機能を追加しました。 複数ノードのエラーを一つのログファイルに記録している場合でも、エラーが発生したノードを発信元のノードとして扱うことができるようになります。

  • WindowsプローブノードからのSSH監視

    Windowsをプローブノードとした際に、監視対象ノードへの接続プロトコルとしてSSHが選択できるようになりました。 対応している監視カテゴリは、システム情報、ディスク、プロセス、詳細情報になります。

  • URL応答監視のHTTPステータスコード指定

    WEB-Standard監視のURL応答確認、URL応答時間の監視項目において、正常と判定する任意のHTTPステータスコードを指定することが可能となりました。 WEBサーバーの設定によって正常と判定したいステータスコードが存在するケースなどで、柔軟に設定することが可能となります。

  • OS稼働時間監視機能

    詳細情報監視において、OSが稼働している日数で状態判定をする監視項目を追加しました。 定期的なパッチ適用やメンテナンスが行われていないサーバーを検知することが可能となります。

  • Amazon Web Services監視のProxy対応

    Amazon Web Servicesの各種サービスの情報を監視する監視項目について、Proxy経由で監視が行うことが可能になりました。 プライベートクラウドやオンプレミス環境からAmazon Web Servicesの各サービスを監視することが可能となります。

3.7.4. ジョブスケジュール

  • ジョブのタイムライン表示機能

    ジョブモニタにランチャートで表示しているジョブネットの当日と過去運用日付の稼働状況をタイムライン形式表示するビューと、特定フレームの指定した運用日付の稼働実績をタイムライン形式で表示するツール(ジョブアクティビティ)を提供します。 過去の実績と比較してジョブの実行状況を確認することで、今日動くジョブがいつ動く見込みなのか、処理時間のロングランが発生していないかを確認することが可能となります。

  • ジョブネットの動作モード切り替え機能

    千手マネージャの環境変数で動作モードを切り替えることによって、ジョブやネットのスキップ処理の動作を一括で変更する機能を追加しました。 開発環境などでジョブ自体は動作させたくない場合など、同一のジョブ定義を利用しながら動作を切り替える運用が可能となります。

  • システムの動作モード切り替え機能

    千手マネージャの環境変数で動作モードを切り替えることによって、システムの自動サイクル運用の動作を一括で変更する機能を追加しました。 DR環境などで、同一の定義を利用しながら投入するシステムやフレームの動作を切り替える運用が可能となります。

  • イベント待ち/ファイル待ちトリガの関連付け機能

    イベント待ちトリガ、ファイル待ちトリガについても先行するフレーム/ネット/ジョブの情報を定義に登録する機能を提供します。 フレーム連携トリガの連携元と同様に、関係する項目一覧として表示したり、ジョブエディタやジョブモニタでの連携元へのジャンプが可能になり、トリガの関連性を把握することが柔軟に行うことができます。

  • リカバリ動作のスキップ機能

    ジョブスケジュールのリカバリ動作について、環境変数が設定されている際に配下で稼働している千手エージェントに対する動作環境起動依頼などの通信をスキップする機能を追加します。 複数の千手エージェントが停止している状況でリカバリ処理を行う場合に、千手マネージャの現在の状態復旧を優先して行うことでリカバリ処理を短縮することが可能となります。

  • 連携元ジョブネットからの関係するトリガ把握機能

    ジョブネットからそのネット(およびそのネットのネット内ジョブネット)を参照しているトリガ名を確認できるようになりました。また、千手ブラウザオプションを設定することでこれらのジョブネットを削除する際に警告を出すことができるようになりました。 連携元となっているジョブネットを変更、削除する場合の影響確認を簡単に行うことが可能となります。

  • ジョブエディタでのトリガ連携元ジャンプ機能

    ジョブエディタにトリガから連携元となるジョブ/ネットに対してジャンプする機能を追加しました。 連携元となっているジョブネットの構成を確認したい場合のオペレーションを簡単に行うことが可能となります。

  • 繰り返しネットの所要時間監視機能改善

    繰り返しネットを実行したときの各繰り返しに対して所要時間の監視ができるようになりました。

  • スキップ待ちジョブの遅延監視機能改善

    スキップ待ちジョブネットの開始時刻が遅延した際に、スキップされていないことを通知するオプションを追加しました。

  • 全運用日付のジョブネット状態表示

    ジョブスケジュールのフレーム、ネット、ジョブ、トリガの状態表示コマンドについて、運用日付を指定せずに全運用日付を対象とするオプションを追加しました。

  • トリガの参照先チェック機能

    トリガに参照先が設定されている場合に、その定義が存在するかどうかをチェックする機能を追加しました。

  • ジョブエディタのフォーカス強調・参照ネットの明示

    ジョブエディタにて、現在参照しているネット名と階層が分かりやすく表示されるようになりました。また、ツリー上でも参照ネットが強調表示されるようになりました。

  • ジョブエディタのトリガ検索機能

    ジョブエディタにて、ネット内で使用されているトリガについてランチャートから検索できるようになりました。

3.7.5. キャパシティ

  • 簡易グラフ表示機能

    千手ブラウザのノードモニタから、履歴データ保存設定がされている監視タスクの直近までの値の推移をグラフとして表示する機能を提供します。 グラフ定義を作成しなくとも、監視タスクのキャパシティデータを確認することが可能となります。

  • グラフ定義のデータ表示対象改善

    グラフ定義のデータ表示対象の指定について、日単位では「現在時刻」、週単位と月単位では「今日」を定義することが可能とするように改善しました。 グラフを表示した場合の期間をより有効な情報として利用することが可能となります。

3.7.6. コンフィグレーション

  • コンフィグレーション検索機能

    コンフィグレーションで収集した情報を検索して、該当する構成管理ノードのみをフィルタ表示する機能を追加しました。セキュリティパッチが適用されていないノードなどの割り出しが簡単にできるようになります。