4.1. モニタリングの概要

モニタリングは、ネットワーク上に分散する複数のサーバーの稼働状態、およびサーバー上で稼働するアプリケーション群を、1台の運用管理サーバーから監視・制御するためのサブシステムです。これによって、業務システムの監視の効率化、および安定した運用を行うことができます。

モニタリングの構成と機能を以下に示します。

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図 4.1 モニタリングの概要

<構成について>

  • 千手ブラウザ

    千手ブラウザからモニタリングの定義や監視結果が参照できます。

  • 千手マネージャ

    千手ブラウザから定義したモニタリングの情報を集中的に運用管理します。

  • 千手エージェント

    千手エージェントパッケージがインストールされた管理対象ノードで、より詳細な監視が行えます。また、構成によって、プローブノードやSNMPコレクタに指定することが可能です。

    • プローブ

      プローブとして設定された千手エージェントはWMIやSNMP、JMX等を用いて千手センサーの情報収集を行います。

    • SNMPコレクタ

      SNMPコレクタとして設定された千手エージェントは、SNMPを用いてトラップ収集を行います。

  • 千手センサー

    千手エージェントをプローブノードに指定することにより、千手パッケージをインストールすることなしに監視が可能となるノードです。千手エージェントからWMI、SNMP、JMX等を用いて監視を行いますので、現在のシステム構成を一切変更することなしに、Senju DevOperation Conductorの管理対象にすることができます。

参考

監視項目によって、プローブ及び千手センサーの稼働環境が異なります。詳細は リリースノート 及び 補足事項 を参照して下さい。

<機能について>

  • システム情報監視

    CPUや仮想メモリの使用率、稼働プロセス数の各リソースの監視を行います。監視した結果が、予め設定したしきい値を超えた場合には、メッセージでの通知やコマンドを実行することができます。また、千手マネージャからのPingによる応答確認を行います。監視した結果により、メッセージを通知することができます。

  • ディスク監視

    ディスクに関する、ディスク使用率や使用量、空き容量の監視を行います。監視した結果が、予め設定したしきい値を超えたり、下回ったりした場合には、メッセージでの通知やコマンドを実行することができます。

  • プロセス監視

    アプリケーションやミドルウェアのプロセスの異常停止やリソース使用状況等の監視を行います。監視対象プロセス異常時にメッセージでの通知やコマンドを実行することができます。

  • 詳細情報監視

    上記のシステム情報監視/ディスク監視/プロセス監視に加え、物理メモリ使用率、実行待ちスレッド数やプロセス数、親プロセスのプロセス別CPU使用率/メモリ使用量、上位n個のプロセス別CPU使用率/メモリ使用量、同一プロセス名稼働数の監視、システムポート稼働状況、ファイル改竄状況、Windowsサービスの稼働状況、コマンド実行にかかる時間、ディスクのI/O状況など、より詳細な監視を行います。監視した結果が、予め設定したしきい値を超えたり下回ったりした場合に、メッセージでの通知やコマンドを実行することができます。

  • WEBサーバー監視[EXTENSION]

    URL応答確認、URL応答時間、Apache監視、IIS監視など、WEBサーバーの監視を行います。監視した結果が、予め設定したしきい値を超えたり下回ったりした場合に、メッセージでの通知やコマンドを実行することができます。

  • DBサーバー監視[EXTENSION]

    Oracle、SQL Server、PostgreSQLのデータベースシステムの監視を行います。監視した結果が、予め設定したしきい値を超えたり下回ったりした場合に、メッセージでの通知やコマンドを実行することができます。

  • MAILサーバー監視[EXTENSION]

    SMTP、POP3、IMAPのポートの応答確認やメール送受信にかかる時間の監視を行います。監視した結果が、予め設定したしきい値を超えたり下回ったりした場合に、メッセージでの通知やコマンドを実行することができます。

  • APサーバー監視[EXTENSION]

    WebLogic、JBoss、.NET Frameworkのアプリケーションサーバーの監視を行います。監視した結果が、予め設定したしきい値を超えたり下回ったりした場合に、メッセージでの通知やコマンドを実行することができます。

  • ERPパッケージ監視[EXTENSION]

    mySAPの監視を行います。監視した結果が、予め設定したしきい値を超えたり下回ったりした場合に、メッセージでの通知やコマンドを実行することができます。

  • ネットワーク監視

    ICMPを用いたパケット到達度や応答時間の監視や、SNMPを用いてのデータの送受信に関する情報などネットワークの監視を行います。監視した結果が、予め設定したしきい値を超えたり下回ったりした場合に、メッセージで通知することができます。

  • バーチャリゼーション監視[EXTENSION]

    仮想サーバーホストと仮想マシンの各種リソース情報の監視を行います。監視した結果が、予め設定したしきい値を超えたり下回ったりした場合に、メッセージでの通知やコマンドを実行することができます。

  • クラウドサービス監視[EXTENSION]

    クラウドサービス(Amazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloud、Oracle Cloud Infrastructure、IBM Cloud)で提供される各種サービスの監視を行います。監視した結果が、予め設定したしきい値を超えたり下回ったりした場合に、メッセージでの通知やコマンドを実行することができます。
    (運用管理サーバーおよび、監視を行う管理対象ノードに、Senju DevOperation Conductor Extension Packの適用が必要です。詳細は、 Senju DevOperation Conductor Extension Packのインストール を参照して下さい。)

  • コンテナ監視[EXTENSION]

    コンテナ(Docker、Kubernetes、Podman、OpenShift)で提供される各種サービスの監視を行います。監視した結果が、予め設定したしきい値を超えたり下回ったりした場合に、メッセージでの通知やコマンドを実行することができます。
    (運用管理サーバーおよび、監視を行う管理対象ノードに、Senju DevOperation Conductor Extension Packの適用が必要です。詳細は、 Senju DevOperation Conductor Extension Packのインストール を参照して下さい。)

  • カスタム監視

    ユーザーがコマンド、WMI、SNMP、JMXなどを使った監視項目を任意に作成し情報の監視を行います。監視した結果が、予め設定したしきい値を超えたり下回ったりした場合に、メッセージでの通知やコマンドを実行することができます。

  • ログ監視

    Windowsのイベントログや、管理対象ノード上に他のアプリケーションが作成するテキスト形式やJSON形式のログファイルを監視し、予め設定した条件に一致する行が追加された場合、メッセージで通知します。

  • トラップ収集[EXTENSION] (SNMPコレクタ)

    SNMPコレクタとして設定された千手エージェントが、監視対象ノードからトラップ情報を収集することができます。収集したトラップ情報は、専用のログファイルに出力されます。

  • 時間帯監視

    時間帯監視機能では、管理対象ノードに対し監視スケジュールを日別、時刻別に定義し、監視する時間帯を決めることができます。監視しない時間帯に発行されたメッセージを表示するかどうかはメッセージ単位で設定することができます。

  • 時間帯別しきい値監視

    時間帯別しきい値監視では、タスクスケジュールを日別、時刻別に定義し、システム情報監視、ディスク監視、プロセス監視、詳細情報監視、WEBサーバー監視、DBサーバー監視、MAILサーバー監視、APサーバー監視、ERPパッケージ監視、ネットワーク監視、バーチャリゼーション監視、クラウドサービス監視、コンテナ監視、カスタム監視に対して時間帯毎の監視の開始/停止の切り替え、しきい値の変更および検査間隔の変更を自動的に行うことができます。