5.4. Web監視(外形監視)監視設定手順と使い方

外形監視設定を行う際には、以下の設定が必要になります。

  • Senju DevOperation Conductor Extension Packの入手と適用
    運用管理サーバーおよび、外形監視を行う管理対象ノードに、同一バージョンの Senju DevOperation Conductor Extension Pack の適用が必要です
    • 運用管理サーバー(千手マネージャ)への適用(監視項目の更新)

    • 管理対象ノード(千手エージェント(プローブノード))への適用(情報取得コマンドの更新)

警告

適用可能な Senju DevOperation Conductor のバージョンやパッチ状況に制限がある場合があります。詳しくは、Senju DevOperation Conductor Extension Pack の README をご参照下さい。

参考

Senju DevOperation Conductor Extension Packの適用手順につきましては、Senju DevOperation Conductor Extension Pack の README をご参照下さい。

注釈

Senju DevOperation Conductor Extension Packの適用に際しては、千手システムの停止は不要ですが、関連する監視タスクの停止が必要です。

5.4.1. 設定

5.4.1.1. Playwrightの導入

以下の手順はNode.jsがインストールされた環境で実施して下さい。Playwrightの稼働にはNode.js 14以降が必要です。

5.4.1.1.1. インストール

  1. ログイン

    外形監視の設定を行うノードに、千手稼働アカウントでログインします。

  2. Playwrightインストール

    Playwrightをインストールする任意のディレクトリに移動し、Playwrightをインストールします。

    以下は D:\path\to\playwright にPlaywrightをインストールする場合の例です。

    cd D:\path\to\playwright
    npm install @playwright/test@X.XX.X
    

    注釈

    X.XX.Xには千手がサポートするPlaywrightのバージョンを指定して下さい。 Playwrightのサポートバージョンについては、リリースノートに記載されている外形監視の稼働環境をご確認下さい。

  3. Webブラウザインストール

    以下コマンドにより、Playwrightで利用するWebブラウザをインストールします。

    # chromium・firefox・webkitの3つをインストールする場合
    npx playwright install
    
    # chromiumのみをインストールする場合
    npx playwright install chromium
    
  4. 依存モジュールのインストール

    以下コマンドにより、Playwrightの依存モジュールをインストールします。

    # chromium・firefox・webkitの3つの依存モジュールをインストールする場合
    npx playwright install-deps
    
    # chromiumのみの依存モジュールをインストールする場合
    npx playwright install-deps chromium
    

5.4.1.1.2. Playwright設定ファイル(playwright.config)の作成

Playwrightのテストランナー実行時にデフォルトで参照される設定ファイルを作成します。Playwrightの公式ドキュメントを参考に、設定ファイルを作成して下さい。

以下に、基本的な設定ファイル例(TypeScript)を記載します。

import { defineConfig, devices } from '@playwright/test';

export default defineConfig({
  // テストスクリプトの格納先ディレクトリ
  testDir: 'tests',

  // 全テストのパラレル実行
  fullyParallel: true,

  // Webブラウザごとのプロジェクト
  projects: [
    {
      name: 'chromium',
      use: { ...devices['Desktop Chrome'] },
    },
    {
      name: 'firefox',
      use: {
        ...devices['Desktop Firefox'],
      },
    },
    {
      name: 'webkit',
      use: {
        ...devices['Desktop Safari'],
      },
    },
  ],
});

注釈

  • projects は必ず設定して下さい。監視タスクで指定するプロジェクト情報として参照されます。

  • 作成した設定ファイルは、 利用するテストスクリプトのスクリプトの種類に応じて、 playwright.config.ts / playwright.config.js / playwright.config.mjs のいずれかのファイル名でPlaywrightをインストールしたプロジェクトディレクトリ下に格納して下さい。

参考

Playwright公式ドキュメント URL:https://playwright.dev/docs/test-configuration

5.4.1.1.3. テストスクリプトの準備

外形監視では、ユーザーが作成したテストスクリプトを実行することで監視を行います。

そのため、事前にテストスクリプトを手動で作成する必要があります。

Playwrightの公式ドキュメントを参考に、テストスクリプトを準備して下さい。

注釈

  • テストスクリプトの作成には、Playwrightのコードジェネレータを利用することも可能です。

  • 作成したテストスクリプトは、Playwright設定ファイル(playwright.config)の作成 で指定したテストディレクトリに格納して下さい。

参考

5.4.1.2. 外形監視用千手設定ファイル(sj_synthetics_conf.json)の作成

sj_synthetics_conf.jsonファイルは、千手での外形監視のための情報を設定するファイルです。外形監視の利用前に 必ず作成 して下さい。

sj_synthetics_conf.jsonは「千手ホームディレクトリ/dat/opt/sj_synthetics_conf.json」に作成します。

表 5.2 sj_synthetics_conf.jsonの記述内容

項目

省略

デフォルト

暗号化対象

説明

projectDir

不可

×

Playwrightをインストールしたプロジェクトディレクトリパス

trace.successGeneration

3

×

シナリオ実行成功時のtraceファイル保存世代数

trace.failedGeneration

10

×

シナリオ実行失敗時のtraceファイル保存世代数

  • sj_synthetics_conf.json の記載例

    {
      "projectDir": "D:\\path\\to\\playwright",
      "trace": {
        "successGeneration": 3,
        "failedGeneration": 10
      }
    }
    

5.4.2. 使い方

5.4.2.1. 外形監視機能

Playwrightを利用したテストスクリプトの実行結果から、各ステップ・テストのレスポンスタイムやステータスを取得し、Senju DevOperation Conductorのモニタリング機能を使って、監視することができます。

監視定義を千手ブラウザより登録し、監視を実施します。監視結果は、各種モニタ画面(グローバルノードモニタ/ノードモニタ)にてその監視状況を表示できます。予め設定したしきい値により障害を検知した場合は、メッセージモニタにメッセージが通知されます。
(モニタリング機能については、ユーザーズガイド「 4.モニタリング 」を参照して下さい。)

5.4.2.1.1. トレースファイル

Playwrightにより作成されたトレースファイルは次の場所に保存されます。

保存世代数については、設定で変更可能です。詳細については 外形監視用千手設定ファイル(sj_synthetics_conf.json)の作成 を参照して下さい。

項目

内容

ディレクトリ名

~/log/extension.d/synthetics/taskID_{監視タスクID}/

ファイル名(テスト実行成功時)

~/log/extension.d/synthetics/taskID_{監視タスクID}/success/YYYYMMDD-hhmmss/{テストスクリプト名}-{テスト名}-{プロジェクト名}/trace.zip

ファイル名(テスト実行失敗時)

~/log/extension.d/synthetics/taskID_{監視タスクID}/fail/YYYYMMDD-hhmmss/{テストスクリプト名}-{テスト名}-{プロジェクト名}/trace.zip

5.4.2.2. 使用上の制限事項

  • Windowsでの監視の場合、プロキシサーバーを経由した監視を行うにはchromiumブラウザを利用する必要があります。

  • 以下の動作は非対応です。
    • playwright.configでのテストのリトライ設定

    • 複数Webブラウザでの同時テスト

    • 実行対象テストスクリプトの複数指定

  • LinuxノードでWebブラウザにwebkitを指定して監視を行う場合、Webブラウザのcoreファイルが作成されることがあります。

  • サポート対象となるWebブラウザのバージョンについては、Playwrightのリリースノートを参照してください。