4. アプリケーションの開発

千手システムが管理するアプリケーションを開発する場合に以下の点に留意して下さい。

  • オンラインアプリケーションの作成

  • ジョブの作成

  • ユーザーコマンドの作成

  • メッセージ

  • 障害情報の記録

4.1. オンラインアプリケーションの作成

4.1.1. 監視対象プログラムの終了条件(正常終了、異常終了の判別方法)

千手システムは"sjANM_exec"、"sjANM_rexec"で起動されたアプリケーションの正常終了、異常終了の判別方法としてプログラム終了時のリターンコードを利用しています。

  • 正常終了 : リターンコード=0

  • 異常終了 : リターンコード≠0

4.2. ジョブの作成

4.2.1. 終了条件(正常終了、異常終了の判別方法)

千手システムはジョブの正常終了、異常終了の判別方法としてプログラム終了時のリターンコードを利用しています。

  • 正常終了 : リターンコードがジョブ登録時に設定した値以下の場合

  • 異常終了 : リターンコードがジョブ登録時に設定した値よりも大きい場合。及びシグナルを捕捉せずに終了した場合

正常終了時は、原則として、リターンコードを0にして下さい。

ワーニングを検知したい場合は、リターンコード≠0に設定し、ジョブを登録する際にリターンコードのしきい値を必ず指定して下さい。

4.3. ユーザーコマンドの作成

アプリケーション独自の運用コマンドを作成し、千手ブラウザのコマンドに登録する場合、次の点にご注意下さい。

  • 実行結果を標準出力から確認できるようにして下さい。

  • 実行時間が短時間であり、投入結果をオペレータが確認できるようにして下さい。

  • 投入時に引数指定が必要な場合は、パラメータを予め登録して下さい。

  • ユーザーコマンドは、運用管理サーバー上で実行されるため、GUIアプリケーションを登録、実行しても、千手ブラウザが稼働しているノードには、画面は表示されません。

4.4. メッセージ

アプリケーションのプログラム内で発生したイベントを運用メッセージとして運用オペレータに通知することができます(専用APIの組み込みが必要)。運用メッセージは、メッセージモニタに通常情報として表示される通常メッセージと、メッセージモニタに警告情報として表示される警告メッセージと、障害情報として表示される障害メッセージがあります。

オペレータが入力したデータをアプリケーションに渡したい場合は、アプリケーション側から、オペレータにデータの入力を要求する応答要求メッセージを出力します。(専用APIの組み込みが必要)。応答要求メッセージは、千手ブラウザの応答用画面に表示されます。

メッセージが運用管理サーバーに到着した時点でコマンドを自動起動する、メッセージの自動応答機能が利用できます。

また、メッセージ出力を監視し、予め設定したルールに適合した場合に設定したアクション(コマンド実行)を実行するメッセージアクションが利用できます。

4.4.1. 通常メッセージ

通常メッセージの発生条件、メッセージモニタに表示するかどうか、通知する内容を検討する必要があります。表示するメッセージは、オペレータが必要とする最小限の情報にし、メッセージ内容の詳細については、ログ情報ファイルに出力するようにして下さい。

メッセージへの出力方法については、 メッセージ出力API を参照して下さい。

4.4.2. 警告メッセージ

警告メッセージの発生条件、メッセージモニタに表示するかどうか、通知する内容を検討する必要があります。表示するメッセージは、オペレータが必要とする最小限の情報にし、メッセージ内容の詳細については、ログ情報ファイルに出力するようにして下さい。

メッセージへの出力方法については、 メッセージ出力API を参照して下さい。

4.4.3. 障害メッセージ

障害メッセージの発生条件、通知する内容、及び発生した際の運用オペレーションの作業内容等を検討する必要があります。表示するメッセージは、オペレータが必要とする最小限の情報にし、メッセージ内容の詳細については、ログ情報ファイルに出力するようにして下さい。

メッセージの出力方法の詳細については、 メッセージ出力API を参照して下さい。

4.4.4. 応答要求メッセージ

アプリケーションから、オペレータに対してデータの入力を要求できます(専用APIの組込みが必要)。

応答要求メッセージの発生条件、メッセージに対する運用オペレータの応答内容等を検討する必要があります。応答要求メッセージの詳細については、 メッセージ出力API を参照して下さい。

4.4.5. 予約メッセージとフリーメッセージ

ここまでに説明した通常メッセージ、警告メッセージ、障害メッセージ、及び応答要求メッセージは、メッセージの登録方法によってフリーメッセージと予約メッセージとに分けられます。

フリーメッセージは、メッセージモニタに出力するメッセージを、APIで直接指定して発行します。メッセージに与えられる属性もAPIに指定されたメッセージレベル(障害、警告、又は通常)によって決まります。千手ブラウザからこれの属性を変更することはできません。

メッセージレベルと与えられる属性の対応を表に示します。

表 4.1 メッセージレベルと属性

レベル

メッセージの表示

警報装置の作動

メッセージの文字色

メッセージの背景色

自動応答コマンド

障害('E')

ON

ON

使用不可

警告('W')

ON

ON

使用不可

通常('I')

ON

OFF

使用不可

警告

応答要求メッセージをフリーメッセージで出力する場合、レベルの属性は、「通常('I')」で出力されます。 予約メッセージは、予め、登録しておいたメッセージをメッセージIDを指定して呼び出すものです。予約メッセージは、事前に千手ブラウザのメッセージから登録しておく必要があります。 メッセージを登録する際に、メッセージの属性を自由に指定、変更することができます。登録方法については、 ユーザーズガイド「イベント」「メッセージ」 を参照して下さい。 なお、メッセージの属性については、 ユーザーズガイド「イベント」「メッセージの属性」 を参照して下さい。

4.4.6. メッセージの自動応答

メッセージが出力されたときに、運用管理サーバーから、予め登録されているコマンドを自動的に起動できます。これをメッセージの自動応答と呼びます。

自動応答時に起動するコマンド(自動応答コマンド)は、千手ブラウザのメッセージで登録します。登録方法については、 ユーザーズガイド「イベント」「メッセージ」 を参照して下さい。

このコマンドの引数には以下の内容が渡されます。

  • 第1引数 : レベル(I/W/E/R)

  • 第2引数 : ノードID

  • 第3引数 : ノード名

  • 第4引数 : 発信元(ノードID:プロセス名)

  • 第5引数 : 年月日(例:98-07-21)

  • 第6引数 : 時刻(例:16:24:06)

  • 第7引数 : メッセージID

  • 第8引数 : メッセージ内容(発信メッセージ内容)

  • 第8引数以降はメッセージ内容(発信メッセージ内容)をスペースかタブで区切ったものが入ります。

[Windows]このコマンドの第1引数として、メッセージ全文(レベル、ノードID、ノード名、発信元、日時、メッセージID、メッセージ内容)が渡されます。

また、自動応答コマンドを登録するときには引数を指定しないで下さい。指定すると正しく動作しません。引数が必要な場合は、スクリプトとして作成し、そのスクリプト名を登録して下さい。

コマンドを登録する際には絶対パスで指定して下さい。

4.4.7. メッセージアクション

メッセージアクションでは、メッセージ出力を監視し、予め設定したルールに適合した場合に、予めアクションに登録されているコマンドを自動的に起動できます。

メッセージアクションにて起動するコマンドは、千手ブラウザのメッセージアクションで登録します。登録方法については、 ユーザーズガイド「イベント」「メッセージアクション」 を参照して下さい。

メッセージアクションのコマンド実行では、コマンドの引数を指定することができます。

コマンドを登録する際には絶対パスで指定して下さい。