10. コマンドラインモードによるインストール

特定のオプション引数を付加してインストーラを実行することにより、コマンドラインモードによるインストールを行うことができます。 各設定項目を対話形式で指定するのではなく、必要な設定値をオプションとして指定することで、千手システムを非対話で導入できます。 あわせて各種ツールを使用することで千手システムの導入を自動化することが可能です。

コマンドラインモードによるインストールは、一部のコンポーネントのみ対応しています。

表 10.1 コマンドラインモード対応一覧

千手システム

OS

対応状況

千手マネージャ

Linux

千手エージェント

Linux

千手マネージャ

Windows

千手エージェント

Windows

千手DBコンポーネント

Windows

千手WEBコンポーネント

Windows

10.1. コマンドラインモードの制限事項

10.1.1. 制限事項

コマンドラインモードに関する制限事項は以下の通りです。

  • Linux
    • 特にありません。

  • Windows
    • 千手稼働アカウントとしてドメインユーザーを利用することはできません。

    • 千手エージェントをマルチエージェントとしてインストールを行うことはできません。

    • インストーラの終了コードでインストールの可否を判別することはできません。

    • ライセンスキーの登録はインストール後、別途千手ブラウザなどから実施する必要があります。詳細については ユーザーズガイド 千手ブラウザの使い方(共通編) の 「ライセンスキーの変更」 を参照してください。

    • コマンドラインモードを使用して千手DBコンポーネント、千手WEBコンポーネントをインストールすることはできません。

10.2. コマンドラインモードによるインストール(Linux)

10.2.1. コマンドラインモード実行例(Linux)

  • (例) 千手マネージャの場合

    # ./senju_mgr-XXXX-XX-linux-x64-XXXXXXXX.bin -s -D domain -K ja_JP.EUC -F /tmp/sjKEY_domain
    
  • (例) 千手エージェントの場合

    # ./senju_agt-XXXX-XX-linux-x64-XXXXXXXX.bin -s -u user -D domain -N agent -L agent.long -K ja_JP.UTF8
    

10.2.2. 利用できるオプション(Linux)

コマンドラインモードによるインストール時に指定できるコマンドオプションを記載します。

  • 千手マネージャ

    表 10.2 オプション一覧(千手マネージャ)

    オプション

    引数

    省略

    未指定時の既定値

    説明

    -s

    不要

    無し

    インストール継続の確認や、インストール後の千手システム起動の際に自動で処理を継続します。

    -D

    必要

    ホスト名

    千手ドメイン名を指定します。

    -K

    必要

    ja_JP.EUC

    千手システムの文字コードを指定します。

    -F

    必要

    トライアルライセンス

    千手システムのライセンスキーファイルの場所を絶対パスで指定します。

    -h

    不要

    無し

    ヘルプメッセージが表示されます。

  • 千手エージェント

    表 10.3 オプション一覧(千手エージェント)

    オプション

    引数

    省略

    未指定時の既定値

    説明

    -s

    不要

    無し

    インストール継続の確認や、インストール後の千手システム起動の際に自動で処理を継続します。

    -u

    必要

    senju

    千手システムをインストールする千手稼働アカウントを指定します。

    -D

    必要

    不可

    無し

    所属する千手ドメイン名を指定します

    -N

    必要

    ホスト名

    ノードIDを指定します。

    -L

    必要

    設定無し

    ロングホスト名を指定します。

    -K

    必要

    ja_JP.EUC

    千手システムの文字コードを指定します。

    -h

    不要

    無し

    ヘルプメッセージが表示されます。

注釈

  • -s オプションを指定せずに実行した場合、設定項目を対話形式で確認しながらインストールします。

  • 千手システムのインストール先は千手稼働アカウントのホームディレクトリとなります。

  • サブエージェントとしてインストールする場合、-K オプション未指定時の既定値は、デフォルトエージェントの文字コードとなります。

  • サポートされている文字コードは 1.5章:サポートする文字コード一覧 を参照してください。

10.2.3. 終了ステータス(Linux)

コマンドラインモードによるインストールを行った場合の終了コードを記載します。

表 10.4 終了コード一覧

終了コード

説明

0

正常終了

1

異常終了

参考

詳細なエラー理由については標準出力およびインストールログに記載されます。

10.3. コマンドラインモードによるインストール(Windows)

10.3.1. コマンドラインモード実行例(Windows)

  • (例) 千手マネージャの場合

    > senju_mgr-XXXX-XX-windows-x64-XXXXXXXX.exe /SILENT /LOADINF=mgr.inf
    
  • (例) 千手エージェントの場合

    > senju_agt-XXXX-XX-windows-x64-XXXXXXXX.exe /SILENT /LOADINF=agt.inf
    

10.3.2. 利用できるオプション(Windows)

Windows向けコンポーネントのコマンドラインモードによるインストールを実施する場合、インストーラーと同じディレクトリに以下の設定ファイルが必要です。

  • setup.ini : 千手ドメイン名などを設定します。

  • {任意名}.inf : インストール言語など指定します。

千手マネージャ・千手エージェント共通して、以下のオプション(スイッチ)を指定可能です。

表 10.5 オプション一覧

オプション

引数

省略

未指定時の既定値

説明

/SILENT

不要

無し

指定した場合、コマンドラインモードでインストーラを起動します。

/LOADINF

必要

無し

設定ファイルを絶対パスで指定します。

注釈

  • /SILENT オプションを指定せずに実行した場合は、対話形式でのインストールとなります。

  • .inf ファイルは任意のファイル名を使用できますが、 setup.ini ファイルのファイル名は固定となります。

10.3.2.1. setup.iniの設定

setup.ini ファイルにて、 InputParameter セクションを作成し、以下のパラメータを設定してください。

  • 千手マネージャ

    表 10.6 オプション一覧(千手マネージャ)

    オプション

    省略

    未指定時の既定値

    説明

    SENJUHOME

    C:\senju

    千手システムをインストールする千手ホームディレクトリを指定します。

    DOMAINNAME

    ホスト名

    千手ドメイン名を指定します。

    PASSWORD

    不可

    無し

    千手稼働アカウントのパスワードを指定します。

    RESTART

    True

    インストール完了時に千手システムの起動を行うか指定します。起動しない場合は False を指定します。

    設定ファイル内容の例)

    [InputParameter]
    SENJUHOME=C:\senju
    DOMAINNAME=domain
    PASSWORD=password
    RESTART=False
    
  • 千手エージェント

    表 10.7 オプション一覧(千手エージェント)

    オプション

    省略

    未指定時の既定値

    説明

    USERNAME

    senju

    千手システムをインストールする千手稼働アカウントを指定します。

    SENJUHOME

    C:\senju

    千手システムをインストールする千手ホームディレクトリを指定します。

    DOMAINNAME

    不可

    無し

    所属する千手ドメイン名を指定します。

    NODEID

    ホスト名

    ノードIDを指定します。

    ALIAS

    設定無し

    ロングホスト名を指定します。

    PASSWORD

    不可

    無し

    千手稼働アカウントのパスワードを指定します。

    RESTART

    True

    インストール完了時に千手システムの起動を行うか指定します。起動しない場合は False を指定します。

    ENABLE_LOCALSYSTEM_USER

    False

    千手稼働アカウントとしてローカルシステムアカウントを使用する場合に True を指定します。

    設定ファイル内容の例)

    [InputParameter]
    USERNAME=user
    SENJUHOME=C:\senju
    DOMAINNAME=domain
    NODEID=agent
    ALIAS=agent.long
    PASSWORD=password
    RESTART=False
    

10.3.2.2. infファイルの設定

inf ファイルの作成方法について記載します。

コマンドプロンプトにて パッケージ名 /SAVEINF=保存先ファイルパス\ファイル名 のように指定して実行します。 通常のインストールと同様にインストールが完了後、 /SAVEINF にて指定したパスおよび inf ファイルが作成されます。

以下は、 inf ファイル作成のためのインストーラ実行の例です。

  • 千手マネージャ

    > senju_mgr-XXXX-XX-windows-x64-XXXXXXXX.exe /SAVEINF=mgr.inf
    
  • 千手エージェント

    > senju_agt-XXXX-XX-windows-x64-XXXXXXXX.exe /SAVEINF=agt.inf
    

上記の手順で作成後、コマンドラインモードによるインストールで利用するにあたり、変更が必要となる inf ファイルの項目を下記に記載します。

  • inf ファイルの設定項目(千手マネージャ・千手エージェント共通)

    表 10.8 オプション一覧(infファイル)

    オプション

    説明

    Lang

    japanese | english

    千手インストール言語を指定します。

    設定例)

    [Setup]
    Lang=japanese
    Dir=C:\senju
    Group=(Default)
    NoIcons=0
    SetupType=main
    Components=base
    Tasks=
    

10.3.3. 終了ステータス(Windows)

Windows向けコンポーネントのコマンドラインモードによるインストールを行った場合、終了コードでインストールの可否を判別することはできません。

インストールの処理結果については、千手ホームディレクトリの log ディレクトリ下、もしくは %temp% ディレクトリ下のインストール時のログを確認してください。