5.2.7. ジョブ、ネット、フレーム、及びトリガの操作

運用管理を細かく行えるように、ジョブスケジュールでは、ジョブ、ネット、フレーム、トリガ、及び分岐ジョブ単位に、次のような操作が行えます。

操作

ジョブ

ネット

フレーム

トリガ

分岐ジョブ

一時停止指定/解除

×

スキップ指定/解除

×

投入

×

×

×

×

初期化

×

特別初期化

×

×

×

×

サスペンド

×

×

×

×

レジューム

×

×

×

×

強制停止

×

×

再ラン

×

再ラン(ノード指定)

○(※1)

×

×

×

×

稼働状況の表示

×

×

強制起動

×

×

×

稼働履歴の表示

×

簡易投入

×

×

×

×

設定

×

×

×

×

消去

×

×

×

×

連携元表示

×

×

×

×

ジョブログの表示

×

×

×

×

ノード別稼働ジョブ表示

×

×

×

×

強制分岐

×

×

×

×

分岐結果参照

×

×

×

×

判定元ジョブ表示

×

×

×

×

備考  ○:対応、×:非対応

※1 ジョブに動作環境(千手センサー指定)が指定されていて、プローブノードの千手エージェントのバージョンがSenju/DC 2020以前の場合、再ラン(ノード指定)は正常に動作しません。

5.2.7.1. 一時停止指定/解除

ジョブ、ネット、フレーム、及び分岐ジョブに一時停止を指定/解除することができます。

一時停止を指定/解除する場合、そのジョブ、ネットの後続ジョブ/ネット、及び分岐ジョブの後続の分岐先ネットも一時停止を指定/解除するかどうかを指定できます。

一時停止をした場合の動作は次のようになります。

  • ジョブの場合

    ジョブの一時停止は、そのジョブがまだ起動されていない場合は、そのジョブが起動する時点で停止します。

    すでに起動後の場合は、再ランを行ったときにそのジョブが起動する時点で停止します。( 運用上の注意事項 参照 )

  • ネットの場合

    ネットの一時停止は、そのネットがまだ起動されていない場合は、そのネットが起動される時点で停止します。

    「稼働中」の場合は、そのネットで現在稼働中のジョブが終了後、次のジョブが起動する時点で停止します。

    すでにそのネットが終了後の場合は、再ランを行ったときに、そのネットが起動する時点で停止します。( 運用上の注意事項 参照 )

  • フレームの場合

    フレームの一時停止は、そのフレームがまだ起動されていない場合は、そのフレームが起動される時点で停止します。

    「稼働中」の場合は、そのフレームで現在稼働中のジョブが終了後、次のジョブが起動する時点で停止します。

    すでにそのフレームが終了後の場合は、再ランを行ったときに、そのフレームが起動する時点で停止します。( 運用上の注意事項 参照 )

  • 分岐ジョブの場合

    分岐ジョブの一時停止は、その分岐ジョブがまだ起動されていない場合は、その分岐ジョブが起動する時点で停止します。

    すでに起動後の場合は、再ランを行ったときにその分岐ジョブが起動する時点で停止します。( 運用上の注意事項 参照 )

5.2.7.2. スキップ指定/解除

ジョブ、ネット、フレーム、及び分岐ジョブにスキップを指定/解除することができます。スキップされたジョブ、ネット、フレーム、及び分岐ジョブは、「スキップ終了」という状態になり、正常終了と同等に扱われます。

スキップを指定/解除する場合、そのジョブ、ネットの後続ジョブ/ネット、及び分岐ジョブの後続の分岐先ネットもスキップを指定/解除するかどうかを指定できます。

スキップを指定した場合の動作は次のようになります。

  • ジョブの場合

    ジョブのスキップは、そのジョブがまだ起動されていない場合は、そのジョブが起動する時点でスキップされます。

    なお、起動条件の(トリガ、リソース、起動時刻)や一時停止と一緒に指定した場合、これらは無効となりスキップが優先されます。そのため、起動条件(上位ネットの起動、前ジョブ/前ネットの正常終了)が揃うと、スキップされます。

    すでに起動後の場合は、再ランを行ったときに、そのジョブが起動する時点でスキップされます。( 運用上の注意事項 参照 )

    ジョブが分岐ジョブの判定元ジョブとして指定されている場合、そのジョブがスキップした場合、分岐ジョブが異常終了します。( 運用上の注意事項 参照 )

  • ネットの場合

    ネットのスキップは、そのネットがまだ起動されていない場合は、そのネットが起動される時点でスキップされます。

    なお、起動条件の(トリガ、リソース、起動時刻)や一時停止と一緒に指定した場合、これらは無効となりスキップが優先されます。そのため、起動条件(上位ネットの起動、前ジョブ/前ネットの正常終了)が揃うと、ネット内のジョブはスキップされます。

    「稼働中」の場合は、そのネットで現在稼働中のジョブが終了後、残りのジョブがすべてスキップされます。

    すでにそのネットが終了後の場合は、再ランを行ったときに、そのネットが起動する時点でスキップされます。( 運用上の注意事項 参照 )

  • フレームの場合

    フレームのスキップは、そのフレームがまだ起動されていない場合は、そのフレームが起動される時点でスキップされます。

    なお、一時停止と一緒に指定した場合、一時停止指定は無効となりスキップが優先されます。そのため、指定されたフレームの起動時刻になると、フレーム内のジョブはスキップされます。

    「稼働中」の場合は、そのフレームで現在稼働中のジョブ/ネットが終了後、残りのジョブ/ネットがすべてスキップされます。

    すでにそのフレームが終了後の場合は、再ランを行ったときに、そのフレームが起動する時点でスキップされます。( 運用上の注意事項 参照 )

  • 分岐ジョブの場合

    分岐ジョブのスキップは、その分岐ジョブがまだ起動されていない場合は、その分岐ジョブが起動する時点でスキップされます。

    なお、起動条件のトリガや一時停止と一緒に指定した場合、これらは無効となりスキップが優先されます。そのため、起動条件(上位ネットの起動、前ジョブ/前ネットの正常終了)が揃うと、スキップされます。

    すでに起動後の場合は、再ランを行ったときに、その分岐ジョブが起動する時点でスキップされます。

    いずれの場合でも、分岐ジョブの起動がスキップされた場合、その後続であるすべての分岐先ネットもスキップされます。( 運用上の注意事項 参照 )

5.2.7.3. 投入

障害などによって、特定のフレームの起動時刻を変更して処理をやり直したい場合などに、フレームを個別指定して投入することができます。ただし、フレームは予め登録されている必要があります。

5.2.7.4. 初期化

投入したフレーム内の各ジョブ/ネット/分岐ジョブは、現時点の実行状態を保持しています。そこで、終了したジョブ/ネット/分岐ジョブを、再び実行するためには、この実行状態を最初の状態に戻す必要があります。この場合必要に応じて、ジョブ、ネット、フレーム、及び分岐ジョブ単位に初期化を行います。

ジョブを初期化する場合、初期化方法として単独初期化と連続初期化が選択できます。初期化を行うジョブの後続ジョブ/ネットも初期化する場合は、連続初期化を選択して下さい。後続ジョブ/ネットも初期化した後、再ランを行うと、そのジョブの後続ジョブ/ネットも再ランします。

分岐ジョブを初期化する場合、初期化方法として単独初期化と連続初期化が選択できます。
また、選択した初期化方法(単独初期化・連続初期化)に関わらず、分岐ジョブを初期化した場合、その分岐ジョブの後続である分岐先ネットについても、初期化を行います。
分岐先ネットの後続ジョブ/ネットも初期化する場合は、連続初期化を選択して下さい。分岐先ネットの後続ジョブ/ネットも初期化した後、再ランを行うと、その分岐先ネットの後続ジョブ/ネットも再ランします。

通常の運用では、システム投入/状態表示変更画面から、業務終了後に、システム単位に初期化を行います。

5.2.7.5. 特別初期化

通常のフレーム初期化ではフレームにトリガが含まれている場合に、そのトリガを用いているフレームが存在しない場合(トリガの最終使用フレームである場合)はトリガの消去を行います。

特別初期化では、通常の初期化の機能に加えて初期化の際にトリガを消去するか、消去せずに残すかを選択することができます。

5.2.7.6. サスペンド/レジューム

状態管理サーバーのジョブ/ネットの起動処理を停止させることで、それ以降のジョブ/ネットの起動を一時的に停止させることができます。

サスペンドすると、それ以降に起動条件を満たしたネットは"起動待ち"から"稼働中"にならずに"起動待ち"のまま、ジョブは"起動待ち"から"稼働中"にならずに"キューイング"になります。この状態はレジュームするまで継続し、レジュームすると"稼働中"になります。

注釈

  • サスペンドを行っても、そのときに稼働中であるジョブについてはそのまま稼働し続けます。

  • サスペンド中にネットを強制起動しても、レジューム後に起動されません。ネットを強制起動したい場合はレジューム後に実施して下さい。

5.2.7.7. 強制停止

稼働中のジョブ、ネット、及びフレームを強制的に停止できます。この操作を実行すると、稼働中のジョブは強制停止により異常終了し、起動待ち/キューイングのジョブは起動待ちの状態になります。強制停止は緊急時以外は行わないで下さい。

通常、強制停止を実行すると起動したコマンドも停止します。ただし、動作環境の種類や設定により、強制停止を行っても起動したコマンドは停止しない場合があります。

強制停止実行時の起動コマンドの状態を下記の表に示します。

表 5.23 強制停止実行時の起動コマンドの状態

動作環境

起動コマンドの状態

千手エージェント指定

起動コマンドは停止します。

千手センサー指定

TELNET接続

起動コマンドは停止します。

SSH接続

起動コマンドは停止しません。
必要に応じて強制停止後にプロセスの停止を行って下さい。ジョブモニタではジョブは異常終了となります。

WMI接続

起動コマンドは停止します。

注釈

強制停止はジョブに対してシグナルSIGTERMを送信しています。通常は異常終了となりますが、SIGTERM受信時に終了するユーザーアプリケーションでは終了コードにより正常終了となることがあります。

5.2.7.8. 再ラン

異常終了したジョブ、ネット、フレーム、及び分岐ジョブを再ランすることができます。

ネット、またはフレームを再ランする場合、異常終了したネット中のジョブ、または分岐ジョブから再ランをします。ただし、その前ジョブに初期化されたジョブ、ネットがある場合、その時点から再ランします。

異常終了した時点よりも前のジョブ、ネット、及び分岐ジョブから再ランさせたい場合は、そこまでの部分を初期化して下さい。

5.2.7.9. 再ラン(ノード指定)

通常の再ランでは、前回の実行と同一ノードでジョブが稼働されますが、再ラン(ノード指定)では、異常終了したジョブを別ノードで再ランすることができます。この時に指定するノードはジョブスケジュールサブシステムが稼働する設定で千手が起動されていることが前提となります。

また、再ラン(ノード指定)を実行する際、指定したノード上で予め動作環境サーバーを起動させておく必要があります。

動作環境サーバーが起動していない場合、千手ブラウザの"コマンド"→"千手コマンド"→"ジョブスケジュール"の「動作環境サーバーの再起動」で、代替ノードIDを指定して動作環境サーバーを再起動して下さい。

動作環境サーバーが起動していないノードを指定した場合は利用できません。

注釈

ジョブに動作環境(千手センサー指定)が指定されていて、プローブノードの千手エージェントのバージョンがSenju/DC 2020以前の場合、再ラン(ノード指定)は正常に動作しません。

5.2.7.10. 稼働状況の表示

ジョブ、ネット及びフレームの稼働状況を表示することができます。

稼働状況の表示を行うと、指定されたジョブ、ネットまたはフレームの状態、開始時刻、終了時刻を表示します。

5.2.7.11. 強制起動

開始時刻やトリガなどの起動条件が満たされていないために起動待ち、一時停止待ち、スキップ待ちとなっているジョブ、ネットを、起動条件を無視して強制起動させることができます。

ネットを強制起動する場合、ネット中の先頭の起動待ち、一時停止待ち、スキップ待ちのジョブ、ネットから強制起動をします。

強制起動する場合、そのジョブ、ネットの後続ジョブ/ネット/分岐ジョブを稼働させる/させないかどうかを選択できます。

それぞれの動作は次のようになります。

  • 強制起動(ネット内後続を稼働させる)

    強制起動で起動させたジョブが正常終了した場合に、後続ジョブ/ネット/分岐ジョブを稼働させます。

    ただし、強制起動(ネット内後続を稼働させる)を選択した場合でも、上位ネットの起動条件が満たされていない場合は、強制起動(ネット内後続を稼働させる)で起動させたジョブの後続ジョブ/ネット/分岐ジョブは稼働しません。後続を稼働させたい場合は、上位ネットに対して強制起動(ネット内後続を稼働させる)を実行してください。

  • 強制起動(ネット内後続を稼働させない)

    強制起動で起動させたジョブが正常終了した場合に、後続ジョブ/ネット/分岐ジョブを稼働させません。

    また、強制起動(ネット内後続を稼働させない)したジョブの前ジョブが追いついて正常終了しても、強制起動(ネット内後続を稼働させない)で起動させたジョブの後続ジョブ/ネット/分岐ジョブは起動しません。後続ジョブ/ネット/分岐ジョブを起動したい場合は、再ランを行ってください。

    強制起動(ネット内後続を稼働させない)を選択した場合でも、強制起動したジョブ/ネット/分岐ジョブが正常終了したことによって上位ネットが正常終了になった際には、上位ネットの後続が稼働することがあります。上位ネットの後続を稼働させたくない場合は、上位ネットに対して強制起動(ネット内後続を稼働させない)を実行してください。

    なお、ジョブやネットが正常終了した後に、後続ジョブやネットの起動条件(時刻やトリガなど)が整った場合には、そのタイミングで起動が行われます。(後続のジョブやネットが起動されるタイミングがない場合は起動されません。)

5.2.7.12. 稼働履歴の表示

ジョブ、ネット、フレーム及びトリガの稼働履歴を表示することができます。

( 稼働履歴の表示 参照)

  • ジョブ、ネット及びフレームの場合

    稼働履歴の表示を行うと、指定されたジョブ、ネットまたはフレームの過去に実行した際の運用日付、開始日時、終了日時、実行時間、状態を表示します。

  • トリガの場合

    稼働履歴の表示を行うと、指定されたトリガの過去に条件が満たされた際の運用日付、状態、最終更新時刻、送信元情報を表示します。

5.2.7.13. 簡易投入

フレーム登録後、同時に即時起動指定の投入を行います。定常運用にのせない使い切りのネットや、ネット定義時のテスト等に使用すると便利です。

簡易投入が23:58~23:59に行われますと、投入動作が日跨りとなることがありますので、この時刻に簡易投入を行った場合にはエラーとなります。

5.2.7.14. 設定

トリガについては送信を実行することができます。トリガ送信を実行すると、指定の状態(ON/OFF)にトリガの状態が変わります。

5.2.7.15. 消去

トリガについては削除を実行することができます。トリガの削除を実行すると、指定のトリガの削除が実行されます。

5.2.7.16. 連携元表示

フレーム連携トリガの連携元となるフレーム/ネット/ジョブ/分岐ジョブを表示することができます。

連携元表示を行うと、フレーム連携トリガの連携元となるフレーム/ネット/ジョブ/分岐ジョブを、ジョブモニタで表示します。

5.2.7.17. ジョブログの表示

ジョブのログ出力の設定した場合に限り、ジョブコマンドが出力した標準出力及び標準エラー出力のログを表示することができます。

ジョブのログ出力の設定については ジョブのログ出力機能 を参照して下さい。

5.2.7.18. ノード別稼働ジョブ表示

ノードID、運用日付、フレーム名を指定して、ジョブの稼働状態を確認することができます。

ノード別稼働ジョブ表示で指定する各項目については ノード別稼働ジョブ表示条件ダイアログ を参照して下さい。

5.2.7.19. 強制分岐

前ジョブ・ネットの状態が起動待ちなどで起動条件が満たされていないために起動待ち、または一時停止待ちとなっている分岐ジョブを、起動条件、分岐条件を無視して強制起動(強制分岐)させることができます。

強制分岐させる際の分岐先(分岐先ネット)を指定する方法については 強制分岐ダイアログ を参照して下さい。

また、強制分岐で分岐先として指定されなかった分岐先(分岐先ネット)はスキップ終了します。

5.2.7.20. 分岐結果参照

分岐ジョブで分岐した結果を確認することができます。

分岐結果参照を行うと、分岐した際の条件となったジョブ(判定元ジョブ)のジョブ名とその終了コード、及びどの分岐先(分岐先ネット)が起動されたかを表示します。

5.2.7.21. 判定元ジョブ表示

分岐ジョブで分岐する際の条件となるジョブ(判定元ジョブ)を確認することができます。

判定元ジョブ表示を行うと、分岐する際の条件となるジョブ(判定元ジョブ)を、ジョブモニタで表示します。