4.5.11. レスポンス監視について

本章ではレスポンス監視機能の使用方法や注意事項について説明します。

4.5.11.1. はじめに

千手システムのモニタリングサブシステムでは、DB接続にかかる時間や、MAILサーバーに実際にメール送受信を行うのにかかる時間などを監視することができます。その際、MAILサーバーへの接続や認証にかかる時間などをフェーズ別に監視することもできます。

レスポンス監視を行う監視項目を下記の表に示します。各監視項目の詳細は 詳細情報 <Oracle監視> <SQL Server監視> <Mail-Standard監視> を参照して下さい。

表 4.299 レスポンス監視項目

カテゴリ

監視項目名

詳細情報

ネットワーク接続所要時間(ミリ秒)

TELNET所要時間(ミリ秒)

FTPファイル送信所要時間(秒)

FTPファイル受信所要時間(秒)

ホスト名解決所要時間(ミリ秒)

NTP時刻取得所要時間 (ミリ秒)

コマンド実行時間(秒)

ディスクI/O所要時間(秒)

DBサーバー

ORACLE:DB接続時間(秒)

ORACLE:DBデータ取得時間(秒)

ORACLE:DBデータ取得時間(簡易指定)(秒)

ORACLE:DBデータ更新時間(COMMIT)(秒)

ORACLE:DBデータ更新時間(ROLLBACK)(秒)

ORACLE:DBストアドプロシージャ実行時間(秒)

SQL Server:DB接続時間(秒)

SQL Server:DBデータ取得時間(秒)

SQL Server:DBデータ取得時間(簡易指定)(秒)

SQL Server:DBデータ更新時間(COMMIT)(秒)

SQL Server:DBデータ更新時間(ROLLBACK)(秒)

SQL Server:DBストアドプロシージャ実行時間(秒)

MAILサーバー

SMTPメール送信時間(認証なし)(ミリ秒)

SMTPメール送信時間(認証あり)(ミリ秒)

POP3メール受信時間(ミリ秒)

IMAPメール受信時間(ミリ秒)

各監視項目の使用方法や注意事項について、以降の章で説明します。

4.5.11.2. コマンド実行レスポンス監視

レスポンス監視項目 のうち、本章では以下の監視項目について説明します。

  • コマンド実行時間(秒)

4.5.11.2.1. 監視項目の使用方法

  • コマンド実行時間(秒)
    コマンドの実行にかかる時間を監視したい場合に使用します。
    指定できるコマンドラインの数は、パラメータに指定した場合で3件、ファイルに記述する場合で999件です。
    千手稼働アカウントではアクセス権がなく実行できないコマンドの実行時間も監視できます。監視する場合には、監視タスク作成時に「実行アカウント」を指定して下さい。

4.5.11.2.2. コマンドライン記述時の注意点

  • コマンドライン中に「"」「*」「(」「)」を指定したい場合には、コマンドラインを監視タスクのパラメータに直接指定するのではなく、コマンドラインファイルを使用して下さい。

4.5.11.2.3. コマンドラインファイルの記述方法

  • 1コマンドラインは必ず1行で記述して下さい。

  • 空行(改行だけの行)は無視します。

  • コメントを記述したい場合には、行の先頭に"#"を記述して下さい。

  • 1行に記述可能なコマンドラインの最大長は2048バイトです。

  • 1ファイルに記述可能なコマンドラインはコメントを除いて999行までです。

4.5.11.2.4. 実行アカウント指定時の注意点

  • OSがUNIX/Linuxのエージェントノードで実行アカウントを指定したコマンドの実行を行う場合、状況収集コマンド(sjANM_cmdtranchk)にroot実行権限が必要です。
    モジュール実行権限の変更手順につきましては、 セットアップガイドカスタマイズ/オプション機能の設定 を参照して下さい。

4.5.11.2.5. 監視対象フェーズ名

コマンド実行時間(秒)の監視を行った際に出力される監視対象フェーズ名は以下の通りです。

表 4.300 コマンド実行時間(秒)の監視対象フェーズ名

監視対象フェーズ名

説明

NNN:コマンドライン

コマンドの実行開始~終了までの時間です。"NNN"は3桁の通番(001~999)で、監視を行う際にコマンドラインを実行した順に自動的に割り当てられる番号です。"コマンドライン"はNNN番目に実行したコマンドラインの先頭または全体です。実行するコマンドラインを「コマンドライン1」「コマンドライン2」「コマンドライン3」に指定した場合には「コマンドライン1」「コマンドライン2」「コマンドライン3」の順に出力されます。実行するコマンドラインをファイルに記載し、ファイルのフルパスを「コマンドラインファイル名(絶対パス)」に指定した場合には「コマンドラインファイル名(絶対パス)」に記載されている順に出力されます。

4.5.11.2.6. 注意事項

  • 記述できるコマンドは、実行形式のバイナリ、シェルスクリプトです。ifやforなどの制御文は記述できません。実行したい場合にはシェルスクリプトを作成し、作成したシェルスクリプトをコマンドライン1、コマンドライン2、コマンドライン3に指定するか、作成したシェルスクリプト名をコマンドラインファイルに記述してそのファイルを指定して下さい。

  • 本監視で使用するコマンドラインファイルのファイル名の長さは、絶対パスで256バイト以内にして下さい。

  • 本監視では、監視対象フェーズ名を指定して、監視結果を取得したい監視対象フェーズを絞ることができます。監視対象フェーズ名を指定した場合、監視対象フェーズ名はコマンドライン(実行結果の監視対象フェーズ名に表示される"NNN:"を除いたもの)の前方部分一致になります。また大文字小文字は区別されます。監視対象フェーズ名は「,」(半角カンマ)をセパレータとして、複数同時に設定することができます。

4.5.11.3. ODBCレスポンス監視

レスポンス監視項目 のうち、本章ではDBサーバーカテゴリの監視項目について説明します。

4.5.11.3.1. 監視項目の使用方法

※ORACLE、SQL Server共通

  • DB接続時間(秒)

    ODBCを使用して、指定されたデータベースに接続するのにかかる時間を監視したい場合に使用します。

  • DBデータ取得時間(秒)

    ODBCを使用して、SELECT文を実行するのにかかる時間を監視したい場合に使用します。WHERE句やORDER BY句、GROUP BY句なども使用できます。FOR UPDATE句は使用できません。指定できるSQL文の数は、パラメータに指定した場合で1件、ファイルに記述する場合で999件です。

  • DBデータ取得時間(簡易指定)(秒)

    ODBCを使用して、SELECT文を実行するのにかかる時間を監視したい場合に使用します。テーブル名、カラム名、件数を指定することで簡単にデータの取得ができます。WHERE句などの条件指定はできません。

  • データ更新時間(COMMIT)(秒)

    ODBCを使用して、INSERT/UPDATE/DELETE文を実行するのにかかる時間を監視したい場合に使用します。更新したデータはCOMMITされ、監視対象のデータベースに反映されますので注意して下さい。WHERE句も使用できます。指定できるSQL文の数は、パラメータに指定した場合で1件、ファイルに記述する場合で999件です。

  • DBデータ更新時間(ROLLBACK)(秒)

    ODBCを使用して、INSERT/UPDATE/DELETE文を実行するのにかかる時間を監視したい場合に使用します。更新したデータはROLLBACKされ、監視対象のデータベースに反映されませんので注意して下さい。WHERE句も使用できます。指定できるSQL文の数は、パラメータに指定した場合で1件、ファイルに記述する場合で999件です。

  • DBストアドプロシージャ実行時間(秒)

    ODBCを使用して、ストアドプロシージャを実行するのにかかる時間を監視したい場合に使用します。更新したデータはCOMMITされ、監視対象のデータベースに反映されますので注意して下さい。指定できるSQL文の数は、パラメータに指定した場合で1件、ファイルに記述する場合で999件です。

4.5.11.3.2. 実行SQL文記述時の注意点

  • 実行SQL文中に「"」「*」「(」「)」を指定したい場合には、実行SQL文を監視タスクのパラメータに直接指定するのではなく、実行SQL文ファイルを使用して下さい。

  • DBストアドプロシージャ実行時間(秒)を監視する場合には、実行SQL文ではなく、実行するストアドプロシージャ名とパラメータのみ記述して下さい。例:TestProcedure1('idval','dataval')

  • 実行SQL文とストアドプロシージャ名の最後には「;」はつけないで下さい。

  • 実行SQL文中に日本語を記述する場合は、文字コードSJISで記述して下さい。

4.5.11.3.3. 実行SQL文ファイルの記述方法

  • 1つの実行SQL文は必ず1行で記述して下さい。

  • 空行(改行だけの行)は無視します。

  • コメントを記述したい場合には、行の先頭に"#"を記述して下さい。

  • 1行に記述可能なコマンドラインの最大長は2048バイトです。

  • 1ファイルに記述可能な実行SQL文はコメントを除いて999行までです。

4.5.11.3.4. 監視対象フェーズ名

DB接続時間(秒)の監視を行った際に出力される監視対象フェーズ名は以下の通りです。

表 4.301 DB接続時間(秒)の監視対象フェーズ名

監視対象フェーズ名

説明

ConnectDB

DBへの接続にかかる時間です。

Disconnect

DBからの切断にかかる時間です。

DBデータ取得時間(秒)の監視を行った際に出力される監視対象フェーズ名は以下の通りです。

表 4.302 DBデータ取得時間(秒)の監視対象フェーズ名

監視対象フェーズ名

説明

ConnectDB

DBへの接続にかかる時間です。

ExecuteQuery[NNN:SQL文]

SQL文実行にかかる時間です。"NNN"は3桁の通番(001~999)で、監視を行う際にSQL文を実行した順に自動的に割り当てられる番号です。"SQL文"はNNN番目に実行したSQL文です。実行するSQL文を「実行SQL文」に指定した場合には、指定したSQL文が1件だけ出力されます。実行するSQL文をファイルに記載し、ファイルのフルパスを「実行SQL文ファイル名(絶対パス)」に指定した場合には「実行SQL文ファイル名(絶対パス)」に記載されている順に出力されます。

Fetch[NNN:SQL文]

FETCHによるデータ取得にかかる時間です。"NNN"は3桁の通番(001~999)で、監視を行う際にSQL文を実行した順に自動的に割り当てられる番号です。"SQL文"はNNN番目に実行したSQL文です。実行するSQL文を「実行SQL文」に指定した場合には、指定したSQL文が1件だけ出力されます。実行するSQL文をファイルに記載し、ファイルのフルパスを「実行SQL文ファイル名(絶対パス)」に指定した場合には「実行SQL文ファイル名(絶対パス)」に記載されている順に出力されます。

Disconnect

DBからの切断にかかる時間です。

DBデータ取得時間(簡易指定)(秒)の監視を行った際に出力される監視対象フェーズ名は以下の通りです。

表 4.303 DBデータ取得時間(簡易指定) (秒)の監視対象フェーズ名

監視対象フェーズ名

説明

ConnectDB

DBへの接続にかかる時間です。

ExecuteQuery[001:SQL文]

SQL文実行にかかる時間です。"SQL文"は監視を行う際に「テーブル名」「カラム名」「クエリ取得件数」を組み合わせて作成されたSQL文が出力されます。

Fetch[001:SQL文]

FETCHによるデータ取得にかかる時間です。"SQL文"は監視を行う際に「テーブル名」「カラム名」「クエリ取得件数」を組み合わせて作成されたSQL文が出力されます。

Disconnect

DBからの切断にかかる時間です。

DBデータ更新時間(COMMIT)(秒)の監視を行った際に出力される監視対象フェーズ名は以下の通りです。

表 4.304 DBデータ更新時間(COMMIT)(秒)の監視対象フェーズ名

監視対象フェーズ名

説明

ConnectDB

DBへの接続にかかる時間です。

BeginTransaction

トランザクション開始にかかる時間です。

Execute [NNN:SQL文]

SQL文実行にかかる時間です。"NNN"は3桁の通番(001~999)で、監視を行う際にSQL文を実行した順に自動的に割り当てられる番号です。"SQL文"はNNN番目に実行したSQL文です。実行するSQL文を「実行SQL文」に指定した場合には、指定したSQL文が1件だけ出力されます。実行するSQL文をファイルに記載し、ファイルのフルパスを「実行SQL文ファイル名(絶対パス)」に指定した場合には「実行SQL文ファイル名(絶対パス)」に記載されている順に出力されます。

Commit

COMMITにかかる時間です。

Disconnect

DBからの切断にかかる時間です。

DBデータ更新時間(ROLLBACK)(秒)の監視を行った際に出力される監視対象フェーズ名は以下の通りです。

表 4.305 DBデータ更新時間(ROLLBACK)(秒)の監視対象フェーズ名

監視対象フェーズ名

説明

ConnectDB

DBへの接続にかかる時間です。

BeginTransaction

トランザクション開始にかかる時間です。

Execute [NNN:SQL文]

SQL文実行にかかる時間です。"NNN"は3桁の通番(001~999)で、監視を行う際にSQL文を実行した順に自動的に割り当てられる番号です。"SQL文"はNNN番目に実行したSQL文です。実行するSQL文を「実行SQL文」に指定した場合には、指定したSQL文が1件だけ出力されます。実行するSQL文をファイルに記載し、ファイルのフルパスを「実行SQL文ファイル名(絶対パス)」に指定した場合には「実行SQL文ファイル名(絶対パス)」に記載されている順に出力されます。

Rollback

ROLLBACKにかかる時間です。

Disconnect

DBからの切断にかかる時間です。

DBストアドプロシージャ実行時間(秒)の監視を行った際に出力される監視対象フェーズ名は以下の通りです。

表 4.306 DB ストアドプロシージャ実行時間(秒)の監視対象フェーズ名

監視対象フェーズ名

説明

ConnectDB

DBへの接続にかかる時間です。

Execute [NNN:SQL文]

SQL文実行にかかる時間です。"NNN"は3桁の通番(001~999)で、監視を行う際にSQL文を実行した順に自動的に割り当てられる番号です。"SQL文"はNNN番目に実行したSQL文です。実行するSQL文を「実行SQL文」に指定した場合には、指定したSQL文が1件だけ出力されます。実行するSQL文をファイルに記載し、ファイルのフルパスを「実行SQL文ファイル名(絶対パス)」に指定した場合には「実行SQL文ファイル名(絶対パス)」に記載されている順に出力されます。

Disconnect

DBからの切断にかかる時間です。

4.5.11.3.5. 注意事項

  • 記述出来る実行SQL文は、SELECT/INSERT/UPDATE/DELETEのSQL文とストアドプロシージャです。複雑なSQL文を実行したい場合にはストアドプロシージャを作成し、作成したストアドプロシージャを実行SQL文に指定するか、作成したストアドプロシージャを実行SQL文ファイルに記述してそのファイルを指定して下さい。

  • 本監視で使用するSQL文ファイルのファイル名の長さは、絶対パスで256バイト以内にして下さい。

  • 本監視では、監視対象フェーズ名を指定して、監視結果を取得したい監視対象フェーズを絞ることができます。監視対象フェーズ名を指定した場合、監視対象フェーズ名は前方部分一致になります。また大文字小文字は区別されます。監視対象フェーズ名は「,」(半角カンマ)をセパレータとして、複数同時に設定することができます。

  • DBストアドプロシージャ実行時間(秒)の監視で出力パラメータや戻り値を持つストアドプロシージャは監視できますが、出力パラメータの値や戻り値は取得できません。

  • DBデータ更新時間(COMMIT)(秒)、DBデータ更新時間(ROLLBACK)(秒)の監視が、実際のデータ更新に時間がかからないにも関わらず、検査間隔内に終わらない場合があります。これは、監視タスクに指定した実行SQL文で使用するリソースに対して、監視対象のデータベースで動作中の別のSQL文または処理がリソースを確保していて、リソースのロック解除待ちになっていることが考えられます。ロック解除までの時間は、監視対象のデータベースの設定により異なります。詳しくは、各DBMSのマニュアルにて確認して下さい。

4.5.11.4. サーバーレスポンス監視

レスポンス監視項目 のうち、本章では以下の監視項目について説明します。

  • ネットワーク接続所要時間(ミリ秒)

  • TELNET所要時間(ミリ秒)

  • FTPファイル送信所要時間(秒)

  • FTPファイル受信所要時間(秒)

  • ホスト名解決所要時間(ミリ秒)

  • NTP時刻取得所要時間 (ミリ秒)

  • SMTPメール送信時間(認証なし)(ミリ秒)

  • SMTPメール送信時間(認証あり)(ミリ秒)

  • POP3メール受信時間(ミリ秒)

  • IMAPメール受信時間(ミリ秒)

4.5.11.4.1. 監視項目の使用方法

  • ネットワーク接続所要時間(ミリ秒)

    リモートノードに対し、TCP/IPによる接続にかかる時間を監視したい場合に使用します。

  • TELNET所要時間(ミリ秒)

    リモートサーバーに対し、TELNETによる接続から切断までにかかる時間を監視したい場合に使用します。

  • FTPファイル送信所要時間(秒)

    FTPによるファイルサーバーへのファイル送信にかかる時間を監視したい場合に使用します。送信するファイルは、既にあるファイルまたはテスト用にダミーデータで作成したファイルを使用することができます。送信に使用したダミーデータで作成したファイル、送信したファイルは時間計測後削除します。

  • FTPファイル受信所要時間(秒)

    FTPによるファイルサーバーからのファイル受信にかかる時間を監視したい場合に使用します。"anonymous"認証のファイルサーバーへのアクセスもできます。受信したファイルは時間計測後削除します。

  • ホスト名解決所要時間(ミリ秒)

    DNS環境などにおいてホスト名解決にかかる時間を監視したい場合に使用します。

  • NTP時刻取得所要時間 (ミリ秒)

    NTPサーバーから現在時刻を取得するのにかかる時間を監視したい場合に使用します。監視対象ノードのマシン時刻の再設定は行いません。

  • SMTPメール送信時間(認証なし)(ミリ秒)

    ユーザー認証を行わないSMTPによるメール送信にかかる時間を監視したい場合に使用します。監視タスクに設定した条件で実際にメールが送信されます。

  • SMTPメール送信時間(認証あり)(ミリ秒)

    ユーザー認証を行うSMTPによるメール送信にかかる時間を監視したい場合に使用します。サポートしている認証方法は サポートされる認証方法 を参照して下さい。監視タスクに設定した条件で実際にメールが送信されます。

  • POP3メール受信時間(ミリ秒)

    POP3によるメール受信にかかる時間を監視したい場合に使用します。サポートしている認証方法は サポートされる認証方法 を参照して下さい。

  • IMAPメール受信時間(ミリ秒)

    IMAPによるメール受信にかかる時間を監視したい場合に使用します。サポートしている認証方法は サポートされる認証方法 を参照して下さい。

4.5.11.4.2. サポートされる認証方法

SMTPメール送信時間(認証あり)(ミリ秒)の監視でサポートしている認証方法は以下の通りです。なお、どの認証方法を使用して監視するかを監視タスク作成時に選択することはできません。状況収集コマンドは以下の表に示す順に認証を行います。

表 4.307 SMTPメール送信時間(認証あり)(ミリ秒)の認証方法

認証方法

説明

CRAM-MD5

チャレンジ/レスポンス方式認証メカニズム(HMAC-MD5とBASE64使用、RFC2104 / RFC 2195で定義)

NTLM2 Session/LMv2/NTLMv2/LM/NTLM

ウィンドウズLANマネージャセキュリティプロバイダが提供する認証プロトコル(DES暗号、MD4ハッシュ、MD5ハッシュ、BASE64使用)

DIGEST-MD5

スクランブル方式認証メカニズム(MD5ハッシュとBASE64使用、RFC2104 / RFC2831で定義)

LOGIN

2ステップログイン認証メカニズム(draft-murchison-sasl-loginで定義、BASE64使用)

PLAIN

1ステップログイン認証メカニズム(RFC2595で定義、BASE64使用)

POP3メール受信時間(ミリ秒)の監視でサポートしている認証方法は以下の通りです。なお、どの認証方法を使用して監視するかを監視タスク作成時に選択することはできません。状況収集コマンドは以下の表に示す順に認証を行います。

表 4.308 POP3メール受信時間(ミリ秒)の認証方法

認証方法

説明

APOP

スクランブル方式認証方法(MD5ハッシュとBASE64使用、RFC1939で定義)

CRAM-MD5

スクランブル方式認証方法(MD5ハッシュとBASE64使用、RFC1939で定義)

NTLM2 SESSION/LMv2/NTLMv2/LM/NTLM

スクランブル方式認証方法(MD5ハッシュとBASE64使用、RFC1939で定義)

DIGEST-MD5

スクランブル方式認証方法(MD5ハッシュとBASE64使用、RFC1939で定義)

LOGIN

スクランブル方式認証方法(MD5ハッシュとBASE64使用、RFC1939で定義)

PLAIN

スクランブル方式認証方法(MD5ハッシュとBASE64使用、RFC1939で定義)

BASIC

通常認証、平文でのユーザーID、パスワード2ステップ認証方法

IMAPメール受信時間(ミリ秒)の監視でサポートしている認証方法は以下の通りです。なお、どの認証方法を使用して監視するかを監視タスク作成時に選択することはできません。状況収集コマンドは以下の表に示す順に認証を行います。

表 4.309 IMAPメール受信時間(ミリ秒)の認証方法

認証方法

説明

CRAM-MD5

スクランブル方式認証方法(MD5ハッシュとBASE64使用、RFC1939で定義)

NTLM2 Session/LMv2/NTLMv2/LM/NTLM

スクランブル方式認証方法(MD5ハッシュとBASE64使用、RFC1939で定義)

DIGEST-MD5

スクランブル方式認証方法(MD5ハッシュとBASE64使用、RFC1939で定義)

LOGIN

スクランブル方式認証方法(MD5ハッシュとBASE64使用、RFC1939で定義)

PLAIN

スクランブル方式認証方法(MD5ハッシュとBASE64使用、RFC1939で定義)

BASIC

スクランブル方式認証方法(MD5ハッシュとBASE64使用、RFC1939で定義)

4.5.11.4.3. 監視対象フェーズ名

ネットワーク接続所要時間(ミリ秒)の監視を行った際に出力される監視対象フェーズ名は以下の通りです。

表 4.310 ネットワーク接続所要時間(ミリ秒)の監視対象フェーズ名

監視対象フェーズ名

説明

HostnameResolution

ホスト名解決にかかる時間です。

ConnectServer

サーバーへの接続にかかる時間です。

DisconnectServer

サーバーからの切断にかかる時間です。

TELNET所要時間(ミリ秒)の監視を行った際に出力される監視対象フェーズ名は以下の通りです。

表 4.311 TELNET所要時間(ミリ秒)の監視対象フェーズ名

監視対象フェーズ名

説明

HostnameResolution

ホスト名解決にかかる時間です。

ConnectServer

サーバーへの接続にかかる時間です。

Authentication

サーバーへのログイン、及び認証にかかる時間です。

DisconnectServer

サーバーからの切断にかかる時間です。

FTPファイル送信所要時間(秒)の監視を行った際に出力される監視対象フェーズ名は以下の通りです。

表 4.312 FTPファイル送信所要時間(秒)の監視対象フェーズ名

監視対象フェーズ名

説明

HostnameResolution

ホスト名解決にかかる時間です。

ConnectServer

サーバーへの接続にかかる時間です。

Authentication

サーバーへのログイン、認証にかかる時間です。

SendFile

ファイル送信にかかる時間です。

DeleteFile

送信に使用したファイル及び実際に送信したファイルの削除にかかる時間です。

DisconnectServer

サーバーからの切断にかかる時間です。

FTPファイル受信所要時間(秒)の監視を行った際に出力される監視対象フェーズ名は以下の通りです。

表 4.313 FTPファイル受信所要時間(秒)の監視対象フェーズ名

監視対象フェーズ名

説明

HostnameResolution

ホスト名解決にかかる時間です。

ConnectServer

サーバーへの接続にかかる時間です。

Authentication

サーバーへのログイン、認証にかかる時間です。

ReceiveFile

ファイル受信にかかる時間です。

DeleteFile

実際に受信したファイルの削除にかかる時間です。

DisconnectServer

サーバーからの切断にかかる時間です。

ホスト名解決所要時間(ミリ秒)の監視を行った際に出力される監視対象フェーズ名は以下の通りです。

表 4.314 ホスト名解決所要時間(ミリ秒)の監視対象フェーズ名

監視対象フェーズ名

説明

HostnameResolution

ホスト名解決にかかる時間です。

NTP時刻取得所要時間(ミリ秒)の監視を行った際に出力される監視対象フェーズ名は以下の通りです。

表 4.315 NTP時刻取得所要時間 (ミリ秒)の監視対象フェーズ名

監視対象フェーズ名

説明

HostnameResolution

ホスト名解決にかかる時間です。

ConnectServer

サーバーへの接続にかかる時間です。

GetTime

時刻取得にかかる時間です。

DisconnectServer

サーバーからの切断にかかる時間です。

SMTPメール送信時間(認証なし)(ミリ秒)の監視を行った際に出力される監視対象フェーズ名は以下の通りです。

表 4.316 SMTPメール送信時間(認証なし)(ミリ秒)の監視対象フェーズ名

監視対象フェーズ名

説明

HostnameResolution

ホスト名解決にかかる時間です。

ConnectServer

サーバーへの接続にかかる時間です。

SMTPConnection

SMTP接続にかかる時間です。

SendMail

メールの送信にかかる時間です。

DisconnectServer

サーバーからの切断にかかる時間です。

SMTPメール送信時間(認証あり)(ミリ秒)の監視を行った際に出力される監視対象フェーズ名は以下の通りです。

表 4.317 SMTPメール送信時間(認証あり)(ミリ秒)の監視対象フェーズ名

監視対象フェーズ名

説明

HostnameResolution

ホスト名解決にかかる時間です。

ConnectServer

サーバーへの接続にかかる時間です。

SMTPConnection

SMTP接続にかかる時間です。

Authentication

サーバーへのログイン、認証にかかる時間です。

SendMail

メールの送信にかかる時間です。

DisconnectServer

サーバーからの切断にかかる時間です。

POP3メール受信時間(ミリ秒)の監視を行った際に出力される監視対象フェーズ名は以下の通りです。

表 4.318 POP3メール受信時間(ミリ秒)の監視対象フェーズ名

監視対象フェーズ名

説明

HostnameResolution

ホスト名解決にかかる時間です。

ConnectServer

サーバーへの接続にかかる時間です。

Authentication

サーバーへのログイン、認証にかかる時間です。

ReceiveMail

メールの受信にかかる時間です。

DisconnectServer

サーバーからの切断にかかる時間です。

IMAPメール受信時間(ミリ秒)の監視を行った際に出力される監視対象フェーズ名は以下の通りです。

表 4.319 IMAPメール受信時間(ミリ秒)の監視対象フェーズ名

監視対象フェーズ名

説明

HostnameResolution

ホスト名解決にかかる時間です。

ConnectServer

サーバーへの接続にかかる時間です。

Login

サーバーへのログインにかかる時間です。

ReceiveMail

メールの受信にかかる時間です。

DisconnectServer

サーバーからの切断にかかる時間です。

4.5.11.4.4. 注意事項

  • FTPファイル送信所要時間(秒)、FTPファイル受信所要時間(秒)、SMTPメール送信時間(認証なし)(ミリ秒)、SMTPメール送信時間(認証あり)(ミリ秒)で指定するファイルのファイル名の長さは、絶対パスで256バイト以内にして下さい。

  • 本監視では、監視対象フェーズ名を指定して、監視結果を取得したい監視対象フェーズを絞ることができます。監視対象フェーズ名を指定した場合、監視対象フェーズ名は前方部分一致になります。また大文字小文字は区別されます。監視対象フェーズ名は「,」(半角カンマ)をセパレータとして、複数同時に設定することができます。

4.5.11.5. ディスクレスポンス監視

レスポンス監視項目 のうち、本章では以下の監視項目について説明します。

  • ディスクI/O所要時間(秒)

4.5.11.5.1. 監視項目の使用方法

  • ディスクI/O所要時間(秒)

    ディスクに対し、ファイルの書き込み/読み込み/削除時間を監視したい場合に使用します。

4.5.11.5.2. 監視対象フェーズ名

ディスクI/O所要時間(秒)の監視を行った際に出力される監視対象フェーズ名は以下の通りです。

表 4.320 ディスクI/O所要時間(秒)の監視対象フェーズ名

監視対象フェーズ名

説明

CreateFile

ファイル作成にかかる時間です。

DeleteFile

ファイル削除にかかる時間です。

4.5.11.5.3. 注意事項

  • 作成ファイル名(絶対パス)の長さは、絶対パスで256バイト以内にして下さい。

  • 監視の際には、作成ファイル名に指定されたファイルを作成するため、既にあるファイルのファイル名は指定しないで下さい。

  • 監視に使用するために作成したファイルは監視終了後に削除されます。

  • 本監視では、監視対象フェーズ名を指定して、監視結果を取得したい監視対象フェーズを絞ることができます。監視対象フェーズ名を指定した場合、監視対象フェーズ名は前方部分一致になります。また大文字小文字は区別されます。監視対象フェーズ名は「,」(半角カンマ)をセパレータとして、複数同時に設定することができます。