NRI 野村総合研究所
導入事例 食品/製薬/エネルギー

最先端DCの自動化を実現した
運用手法を解説

株式会社エネコム 様

中国地方に拠点を置き、地域に根ざした「電気通信事業」と「情報処理事業」を展開している株式会社エネルギア・コミュニケーションズ(略称:エネコム)。同社は、2016年12月、3拠点目となる「Enewings広島データセンター」を開設したが、同時に進めたのが運用の改革だった。従来の数倍の規模を持つ「Enewings広島データセンター」は、従来の手動設定をベースとした運用を続けると、いずれ"立ち行かなくなる"と判断されたからだ。そこで同社は、契約数が伸びてもコスト増につながらず、かつ運用品質を落とさない新しい運用の仕組みを模索することになった。

これまでの課題

新規データセンター開設に合わせ、手動での運用を全面的に見直し

中国電力グループの傘下にあって、中国地方を基盤に「電気通信事業」と「情報処理事業」の2つを柱として事業展開するエネコム。
個人向けのインターネットサービス「MEGAEGG(メガ・エッグ)」、法人向けのソリューションブランド「EneW-ings(エネウィングス)」を提供し、最近はRPA(RoboticProcessAutomation)サービスとして「EneRobo(エネロボ)」の提供、IoT技術を持つ米FogHornSystemsとの提携、サイバーダインのロボットスーツの取り次ぎなど、IoT/ロボット時代を見据えた新しい分野にも積極的に取り組んでいる。
同社は、広島南と岡山で2つのデータセンターを運用していたが、2016年12月、広島駅から徒歩数分の場所に3つ目の「EneWings広島データセンター」を開設し、運用をスタートした。
ただし、それと並行して進められたのが、運用の見直しだった。同社通信技術本部サービスオペレーションセンターデータセンターチームサブマネージャー髙井一穂氏は、その事情を次のように説明する。
「既存の2つのデータセンターは、入退室は紙、サービス情報はExcelという形式で管理していました。このため、情報の確認に時間がかかり、情報の活用にも課題がありました。また、契約にかかわる各システムも手動設定だったため、設定ミスのリスクが存在していたのです。新しい広島データセンターは、既存データセンターの数倍の規模であり、こうした従来の運用を続けていると、いずれ立ち行かなくなるのは目に見えていました」(髙井氏)また、運用コストという点でも、従来の運用体制には問題があったと、サービスオペレーションセンターデータセンターチーム清水愛美氏は次のように指摘する。
「既存の運用では、契約件数(管理ラック)が増えると、それに比例して運用コストが上昇する体制になっていました。このため、契約を増やしても、運用品質を落とさず、かつ運用コストも抑制できる新しい仕組みが求められていたのです」(清水氏)
こうして、同社はデータセンターの運用を刷新するべく新たなシステムの検討を開始した。

インシデント管理や自動化に加え、Web入館システムとも連携

同社が新しいシステムの検討を開始したのは、2015年の中ごろだった。当時は、翌2016年12月の広島データセンター運用開始と同時に新システムの稼働を考えていた。ただし、そこで考えられていたシステムは、あくまでインシデント管理に限定されていたシステムだった。
「当初は、インシデント管理だけを想定して、各社の製品を検討しました。しかし、インシデントを管理するには、サービス情報の管理も必要になりますし、そこまで管理するなら自動化も実現したい、と徐々に範囲が拡大していったのです」(清水氏)
そこで有力な候補となり、最終的に選定された製品が、野村総合研究所(以下、NRI)の「Senju/SM」だった。Senju/SMは、国内シェアNo.1のNRIのサービスデスクツールだ。清水氏は、Senju/SMを選択した理由を次のように説明する。「インシデント管理、サービス管理、自動化など、我々が必要とする機能がそろっていたことに加え、データの検索・抽出が簡単で入力項目の変更/追加を弊社側でできる点を評価しました。さらに、最終的な決め手となったが、他システムとの連携に強いことでした」(清水氏)
データセンターでは、Web入館申し込みシステムや機器監視システムなど、さまざまなシステムを利用する。したがって、運用を効率化するには、これらのシステムと連携し、データを一元管理して、互いのデータを活用できることが不可欠だった。
さらに、清水氏は「将来、新たなシステムと連携する可能性も視野に入れて、連携に強いSenju/SMを選択しました」と述べる。
こうして同社は、2017年3月に正式にSenju/SMの導入を決定。6月から構築を開始し、2017年12月から、Senju/SMを活用した新しいデータセンター運用システムが本格的に稼働を開始した。新システムの稼働が、広島データセンターの開設から1年後となったのは、当初のインシデント管理から、契約管理や自動化など、より広範囲をカバーする必要があったためだ。

図1

導入効果

運用の効率化を実現し、顧客へのレポート作成も全自動化して作業時間を大幅に短縮

Senju/SMを活用した、新たなデータセンター運用システムの導入によって、従来の紙とExcelを中心とした運用は大きく変わった。
「従来はExcelで運用していた問題点やインシデントの情報を、現在はSenju/SMに入力しています。また、お客さまからの問い合わせやオペレータの巡回などの定期的な作業の報告も、Senju/SMに入力されます。これにより、作業日誌等を紙に印刷する必要がなくなりました」(清水氏)
また、髙井氏は新システムの最大の効果を「情報を時系列で追えるようになったこと」だと説明する。
「たとえば、機器が故障したとき、誰が、いつ、どこにどのような連絡をして、どう対処したのかを、時系列かつ1つの画面で確認できるようになりました。従来は、Excelを使って1つ1つ手作業で確認する必要があったため、時間と手間がかかっていたのです」(髙井氏)
もう1つ大きく変わったのが、顧客向けのレポート作成が自動化され、作業時間を大幅に短縮できたことだ。
「弊社では、入退館の申し込み状況や使用電力などの情報をレポートとしてお客さまに提供しています。従来は、各システムからデータを人手で取得してレポートにまとめ、メールで送っていたため、1社あたり半日~1日かかっていました。しかし、Senju/SM導入後は、情報提供の方法をメールからWebに変更し、データ取得からレポート作成、Web公開までを完全自動化したことで、作業時間を大幅に短縮できました。過去の情報も含めて必要な情報をいつでも確認できるので、お客さまの利便性も向上しました」(清水氏)
さらに、システム・機器を監視するシステムを、Senju/SMから自動設定できるようになったメリットも大きい。手動で設定する必要がなくなったため、設定の手間と設定ミスの両方を低減することに成功した。

今後の展望

さらなる運用改善、他のDCの運用最適化など、今後の活用に期待

新しい運用システムは、まだ本格的な運用が始まったばかりだ。したがって、今後も継続的にブラッシュアップを検討していくという。清水氏も、「データ入力後、一部、手動で設定が必要なところがありますので、できるだけ自動化を徹底したいと思います」と述べる。
また、既存の2つのデータセンターの運用についても、広島データセンターの運用をモデルケースにしてSenju/SMへ統合した。これにより、顧客向けの機能についても、さらなる強化を図りたいとした。
「現在はWebでのレポートの提供にとどまっていますが、サービス情報の変更申請や利用ユーザーの追加・変更なども受け付けて、Senju/SMで管理することで、お客さまの利便性向上に役立てたいと思っています」(清水氏)さらに清水氏は、Senju/SMのデータベース連携への期待も強調する。
「たとえば、お客さま情報を複数のシステムで利用する際、システムごとに同じ情報を入力するようなことはしたくありません。しかし、Senju/SMであれば、他システムとデータベース連携できるので安心です」(清水氏)
中国地方を中心に、地域の企業や自治体、個人のITを支える企業として、同社が運営する「Enewings広島データセンター」は地域を支える最重要インフラの1つといえる。その運用を支えるSenju/SMとNRIの役割・責任は、今後、さらに大きくなるに違いない。

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