NRI 野村総合研究所
導入事例 通信/サービス/商社

エラーメッセージを67%削減、
運用の外販強化につなげた方法

株式会社インフォセンス 様

大手物流企業として知られる山九のITを担当する企業がインフォセンスだ。同社は、山九の事業拡大に伴って、システムの運用・保守の改善が喫緊の課題となっていた。特にシステムから大量に出力されるエラーメッセージの削減が、運用・保守の改善に不可欠と考えた同社は、新たな運用・保守の仕組みを導入。約67%のメッセージの削減を実現するとともに、導入した仕組みを横展開して、既存ビジネスの強化にも成功した。

これまでの課題

不可欠だった大量のエラーメッセージの削減

インフォセンスは、大手物流企業として知られる山九の情報システム部門を母体とする企業だ。山九の100%子会社として、主に物流に関わるさまざまなITシステムを開発し、山九のビジネスをITで支えるとともに、物流で培った独自のITノウハウを多様な製品・サービスとして、多くの企業にも提供している。
親会社である山九の事業発展に伴い、同社に求められるシステム開発および運用範囲も拡大。そこで、今後のIT戦略そのものを立案するために相談したのが、野村総合研究所(以下、NRI)だった。アウトソーシング事業部運用サービス部マネージャー永浦秀敏氏は次のように説明する。「コスト、生産性、品質面からNRIのシステムコンサルティングサービスを受けました。その結果、外部リソースを有効活用し、内製化すべき範囲を広げるためにクラウドとOSSの活用方針を決めました。それを受けて、現在のシステム基盤を検討した結果、システム運用の集約化と効率化、運用の見える化が不可欠だと判断しました」(永浦氏)
システム監視については、オンプレミス/クラウドのそれぞれについて、オープンソースの運用管理製品を使っていたが、オンプレミス/クラウドごとに運用がバラバラだった。アウトソーシング事業部運用サービス部小手川雄貴氏は、同社が抱えていた運用の課題を次のように語る。「システムから発せられるエラーメッセージは、1日平均で1800件にものぼり、どれが重要なメッセージなのか判断するのが難しい状況でした。もともと、システムの運用改善は毎年実施していましたが、毎年問題となっていたのが、この大量のエラーメッセージでした。システムの運用改善を前に進めるには、まずはこの問題を解決しなければならないという認識だったのです」(小手川氏)

導入効果

フィルタリングと複数システムを一元管理する機能を評価

こうして同社では、システムの運用監視の統合・見える化を目的にソリューションの選定に着手。最終的に選択されたのが、NRIのSenjuだった。「コンサルティングをお願いしていた関係で、NRIのデータセンターを見学する機会がありました。そこで利用されていた運用ツールがSenjuだったのです。もちろん、他の製品との比較・検討も行いましたが、当社のニーズに最も合致していたのがSenjuでした。特にメッセージ削減に効果的な強力なフィルタリング機能、システム運用を一元化できるハブ機能を最も高く評価しました」(小手川氏)システムの構築は2016年3月にスタート。約半年の開発期間を経て、10月にシステム運用管理ツールのSenju/DC、統合運用管理基盤のSenju/ENおよびSenju/ENESPオプションを組み合わせたシステムが稼働を開始した。さらに、その半年後には、運用状態を可視化するSenju/PV(SenjuPerformanceVisualizer)も導入し、必要な機能がすべて揃ったシステムが本格稼働を開始した。「現在は、オンプレミス、クラウドそれぞれにシステムを監視するサーバにSenju/DCのエージェントを入れて、Senju/DCのサーバにエラーメッセージを一括で送り、それをSenju/ENに流してフィルタリングする構成としています」(永浦氏)これまでは、ハードウェアも含めて監視対象となるシステムが出すメッセージをオンプレミス/クラウドのそれぞれで処理していた。それが、システム導入後は、すべてのメッセージをSenju/DCが一括で受け取り、その後、Senju/ENでフィルタリングする。そして、Senju/ENESPで一次対応を自動化し、Senju/PVで運用を可視化する仕組みとなった。

図1

エラーメッセージを約67%削減し、
運用の見える化も実現

Senjuを活用した新しいシステムの効果は稼働直後から、すぐに具体的な数字となって現れた。
「1日に平均で1800件あったエラーメッセージが、約500件と67%も削減できました。また、従来のように複数のコンソールを見る必要がなくなり、Senjuのコンソールだけ見ていればよくなったため、運用担当者の負荷も大幅に低減し、毎月、約1人月分の業務を削減かることに成功しました」(永浦氏)さらに、大きな効果を発揮したのが、最初の稼働から約半年遅れて導入したSenju/PVだった。Senju/PVは、システムの運用状況をさまざまなグラフを用いて可視化し、運用改善に向けた気付きを得るためのサポートツールである。
「エラーメッセージは500件に減りましたが、我々はまだ十分とは考えていません。そこで、残りの500件の中身について、Senju/PVを用いて可視化し、分析を行っています。従来は、出力したエラーログにフィルターをかけたあと、手作業で集計していましたが、Senju/PVであれば見たいときに見たいデータをすぐに見られるので、分析の時間が大幅に短縮できました」(小手川氏)
「以前は、運用改善の分析は年に1回のペースでしたが、いまは月に1回のペースで実施できるようになりました。また、すべてグラフで表示されるので、特別な知識や経験がなくても分析ができるようになったのも大きいメリットです」(永浦氏)

今後の展望

さらなる運用改善の取り組みと
顧客向け運用・保守サービスの強化

Senju/PVによる運用の可視化と、そのデータを用いた運用改善の取り組みについて、小手川氏は「残りの500件をいかに減らしていくかは、今後の取り組み次第です」と、今後も継続していく考えを強調する。実際に、上期と下期で運用改善のPDCAサイクルを2回転させ、運用改善のスピードアップを図る計画だ。
また、今回導入されたSenjuによる運用・保守の仕組みを、同社が提供しているデータセンターのサービスとして提供する計画も進行中という。
「今回、導入した仕組みは、横展開が容易です。このため、弊社のデータセンターのお客さまのシステムを運用・保守する仕組みとしても活用できます。現在は、システムの運用・保守、監視まで含めて一括でお引き受けできる準備を進めているところで、お客さまからのご要望があれば、すぐにでもサービスインできる状態です。これもSenjuを導入した大きい成果であり、今後に期待しています」(小手川氏)
山九グループのITを一手に引き受け、自らも積極的にビジネスを展開するインフォセンスにとって、Senjuを活用した新しい運用・保守の仕組みは、業務の効率化と自らのビジネスの強化という2つの側面を持っていた。
今後も、山九グループそしてインフォセンスのビジネスを支え、さらなる事業拡大に貢献するシステムとして、重要な役割を果たすことは間違いないだろう。

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