現状の課題
ジョブは一般的に、各サーバーにインストールされたエージェントソフトウエアで制御される。エージェントソフトウエアを使わずにリモートからジョブ制御すると、セキュリティやパフォーマンスの問題により、柔軟なジョブ制御ができなくなる。
しかし、管理するサーバーが数十台、数百台となるとエージェントソフトウエアをインストールするのにも多くの工数が掛かる。システムのクラウド化が進み、管理サーバーが頻繁に増加する環境においては特に大変である。インストールした後も、パッチ適用、バージョンアップ、新システムにおける動作検証作業など、維持管理の手間が掛かってしまう。また、エージェントソフトウエアが対応しているOSが限定されるため、古い環境やリリースされたばかりの最新OSには対応していない場合もある。
解決策
システム監視では、エージェントソフトウエアをインストールしない「エージェントレス監視」が採用されるようになってきた。それと同様に、ジョブ管理でも、エージェントレスジョブ実行にすることで、管理対象へのソフトウエアのインストールやバージョンアップが不要となり、エージェントソフトウエアの維持管理負担を大幅に軽減できる。管理対象サーバーのOSやバージョンの制限を受けることもない。
システム監視でもジョブ管理でも、エージェントレス型の場合、エージェント型に比べて信頼性やパフォーマンスが低下する傾向がある。そのため、用途や目的に応じてエージェント型かエージェントレス型かを適切に選択し、両方混在した環境を一元管理するのが望ましい。
Senju Familyでの実践方法
Senju DevOperation Conductorではエージェントレスでジョブ実行制御を行う「千手センサージョブ」機能を提供している。管理対象がUNIX/Linuxの場合はsshプロトコルを使い、Windowsの場合はWMI、sshプロトコルを使う。管理コンソール(千手ブラウザ)にてプロトコルの種類、アカウント、パスワード情報を登録することにより、エージェント型とエージェントレス型が混在した環境のジョブ管理が可能となる。エージェント型に比べて信頼性やパフォーマンスが低下する傾向があるため、重要なジョブは千手エージェントジョブで、業務影響の少ないジョブは千手センサージョブで動かすなど用途に応じて使い分けることで品質を保ちつつ維持管理負担を軽減することができる。