構成管理はITサービスマネジメントの根幹に位置する重要なプロセスだ。実際に多くの企業がこのプロセスをITサービスマネジメントに実装しているが、時間経過と共に構成管理データベース(CMDB)に登録された 構成情報が陳腐化し、形骸化してしまうといった課題に直面しているのである。この課題を解決するためには、いかに最新の構成情報を収集する仕組みを構築するかがカギとなる。
構成管理プロセスは
ITサービスマネジメントの土台
構成管理の課題
- 構成アイテムのステータスと関係性を正しい状態に保てない。
- 構成アイテムの変更頻度は格段に増加している。
ITILをベースとしたITサービスマネジメントは、日本企業の間でも広く認知されるようになった。中でもインシデント管理、問題管理、変更管理、リリース管理および展開管理などのプロセスは、多くの企業でツールの普及と共に定着化が進んでいる。その中で改めて注目するべきものが構成管理である。前述の各プロセスはいずれもシステムの構成アイテムと密接に関連しており、構成管理はITサービスマネジメントの土台に位置付けられる。また、構成管理プロセスでは、構成アイテムのステータスを一元的に集め、各構成アイテム間の関係性を管理する。しかし、システムが変更される度に構成情報を更新するのは簡単ではない。昨今では、システム開発のスピードが速くなっており、これまでより格段に変更の頻度が増加している。正しい構成情報を維持するのは管理者にとって悩ましい課題である。

構成管理を実装しても
運用が定着化しない
課題解決が難しい理由
- CMDBは時間とともに実際のシステム構成との間に乖離が生じ、使われなくなってしまう。
- CMDBの更新は、人手に依存した作業になりがちで高負荷な運用となってしまう。
構成管理の重要性は多くの企業が認識するところだが、その取り組みはなかなか定着化していないのが実情だ。初期導入時には、最新の構成情報を調査し、その内容を反映したCMDBを構築する。ところが時間経過と共にCMDBに登録された構成情報と現実との間に乖離が生じて次第に拡大していき、陳腐化してしまうのだ。また、一度陳腐化した情報を目にしたユーザは、もはやその後CMDBの情報を参照しなくなる。これによりCMDBの陳腐化はいっそう加速されるのである。陳腐化の最大の原因は、CMDBの設計・構築時に運用フェーズでの更新作業についての検討が不足していることにある。結果としてCMDBを人手で更新することになるのだが、人的リソースが不足しがちな運用現場において、構成情報をすべて手作業で更新することなど不可能なのである。これが構成管理の定着化を阻害する最大の原因だ。
既存システムへの影響を最小限に
構成情報の取得を自動化する
解決のポイント
- 構成情報を定期的かつ自動的に収集する仕組みをつくる。
- 既存システムへの組み込みを必要としないモジュールレスのセンサーを利用する。
人手に依存していたシステム構成情報の更新作業の負荷を最小化すること、すなわち各システムからの構成情報の取得を自動化することが、構成管理の定着化を図るための抜本的な解決策となる。そもそもシステムの構成変更スピードに人的作業で対応すること自体にかなりの無理があり、これからの構成管理にとって自動化のアプローチは必須要件といって過言ではない。問題はその仕組みをどうやって実現するかである。既存システムに対して情報収集のためのモジュールをあとから組み込むことは、稼動検証や維持管理などの面から大きなハードルとなることが考えられる。したがって、既存システムへの影響を最小限にできる仕組みが望ましい。つまり、既存システムへの組み込みを必要としないモジュールレスのセンサーを利用した構成情報収集の仕組みである。例えば、野村総合研究所のシステム運用管理ツール「Senju Family」を利用すれば、既存システムに対する影響を最小限に抑えつつ、定期的かつ自動的に最新の構成情報を収集し、一元的に管理するCMDBを構築することができるのだ。これにより、構成情報の陳腐化から解放され、「構成管理」の継続的運用が可能となる。

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