NRI 野村総合研究所
ITIL 4の特徴と、
認証取得における審査ポイント

国産ツールで初めてPinkVERIFYTM ITIL 4認証を取得

NRIが開発・提供しているITサービスマネジメントツール「Senju Service Manager(Senju/SM)」が、国産ツールとして初めてPinkVERIFYTM ITIL 4の認証を取得しました。5つのプラクティスに関する約120個の審査項目全てをクリ アし、当該プラクティスの機能が実装されていることが確認されています。本資料では、ITサービスマネジメントおよび ITIL 4について改めて整理し、PinkVERIFYTM ITIL 4の特徴的な審査ポイントと、それに対するSenju/SMのソリューションをご紹介します。

図1

ITサービスマネジメントとは

情報システムを利用者視点のITサービスとして捉え、当該ITサービスの安定提供と継続的改善を管理する活動が「ITサービスービスマネジメント」です。ITサービスマネジメントの重要ポイントの一つが、システム利用者のニーズを適切に把握し、それにこたえることです。昨今のDX(デジタルトランスフォーメーション)の発展に伴いITサービスに対するニーズがさらに広く・深くなっており、ITサービスマネジメントの重要性が改めて認識されています。もう一つのポイントが一過性の活動にとどまらず継続的かつ柔軟に改善を行うことです。活動の維持管理ならびに継続的改善を支える仕組みがITサービスマネジメントシステム(ITSMS)であり、ITSMSの活用が成功を左右します。

ITIL 4の特徴

ITサービスマネジメントの成功事例を体系化したガイドラインがITIL®です。ITIL®は英国発祥ですが、日本では2003年ごろから徐々に認知されました。ITを取り巻く環境や技術の進化に伴いながら改変を続け、最新バージョンは2019年にリリースされたITIL4になります。ITIL4ではITサービスの「価値(Value)」にフォーカスが当てられており、組織・技術・運用等を包括したマネジメントが定義されています。また、運用部門、開発部門、外部ベンダー、ビジネス部門など既存組織のサイロを打ち破り、組織横断的に柔軟かつ迅速な価値創出活動を求めています。

図2

ITIL4の新しい概念としてSVS(サービスバリューシステム)があります。SVSでは、ニーズに対する価値創出のためのシステムを、ITILV3でいうプロセスに加えてガバナンスや横断的な組織・リソース、継続的改善等も含めてエコシステムとして定義しています。

図3

各業務や目的はプラクティスとしてITILV3のプロセスよりも具体的に定義されています。ITILの基本理念・行動指針は以下のとおりですが、各プラクティスにおいても「プロセスの最適化・自動化」「継続改善を支える可視化」「組織全体のコラボレーション」等が求められます。

図4

PinkVERIFYTM ITIL 4 認証

PinkVERIFYTMは、PinkElephant社(本社:カナダオンタリオ州)が1998年から提供している歴史のある認証制度であり、ITサービスマネジメントツールがITIL®を実現する機能を実装していることを認証します。2021年9月現在、ITIL4の認証対象は世界で8製品ありますが、国産ではSenju/SMが初の認証製品となります。今回、最も重要な以下の4つのプラクティスについて認証を取得しています。

重要な5つのプラクティスの認証を取得

  • インシデント管理(Incident management)
  • 変更実現(Change enablement)
  • 問題管理(Problem management)
  • リリース管理(Release management)
  • サービス要求管理(Service Request management)

システム利用者からの問い合わせやシステムからのアラートに迅速に対応する「インシデント管理」、障害原因を突き止めビジネスへの影響を最小化する「問題管理」、システム変更におけるリスクを最小限に抑える「変更実現」、リリース作業の手順や自動化を管理する「リリース管理」、システム利用者からの要求に適切に応える「サービス要求管理」、これら5プラクティスに関する約120項目の審査項目全てにパスして認証を取得しています。

PinkVERIFYTM ITIL 4 の特徴的な審査ポイントと
それに対するソリューション

PinkVERIFYTMの審査では、ITIL4で求められる機能要求に対してツールの機能説明とデモ、ドキュメント確認を繰り返します。ITILV3と比較すると、人手に頼らない「更なる自動化」、ビジネスのスピードを上げ、速い判断をサポートする「分析・レポート」、コミュニケーションを効率化する「外部連携」等が特徴的なポイントになります。例を挙げますと、インシデント管理ではインシデント内容の自動判定・自動解決、問題管理では、障害の傾向分析、変更実現では、サービス要求から完了までの完全自動化、リリース管理では、情報共有を容易にするコミュニケーションツールとの連携等になります。以下に特徴的な審査ポイントをピックアップし、Senju/SMによるソリューションをご紹介します。

①アラーム/アラートのチケット起票、エスカレーション、追跡、対応を自動化できるか

ITILでは元来運用業務の自動化を推奨していますが、ITIL4では更なる自動化を求めています。組織を越えたコラボレーションやプロセスのシンプル化を基本理念としているため、オペレーションの自動化に加えて、より広範囲の状況把握やプロセス実行の自動化も必要になります。

■SenjuFamilyによるソリューション

クラウドやSaaS、オンプレミスなどが混在した環境から発報される様々なメッセージを集約し、多段階でフィルタリングを行い、重要なインシデントのみをチケット起票します。Senju/SMにて自動的に分類/エスカレーションされたチケットと構成情報を確認し、ランブックオートメーションに対応を指示します。これらのプロセスをシームレスに実行します。

図5

②ITサービスマネージャや現場担当者の判断を速める機能を実装しているか

ITIL4では価値にフォーカスすべきと強調しています。価値はサービスプロバイダが一方的に提供するものではなく、ITサービスを利用したことによる成果やコスト、リスク等も含めて捉える必要があると定義されています。サービスプロバイダはITサービスの提供先や利害関係者を明確にし、ユーザー視点も含めた価値の可視化が必要になります。PinkVERIFYの審査では、ITサービスマネージャや現場担当者が迅速に判断を下すための可視化/検索機能を確認されました。

■SenjuFamilyによるソリューション

SLAMチャート(SLAモニタリングチャート)により、顧客と締結したSLAの遵守状況がリアルタイムに把握できます。評価項目を柔軟に設定できるためマネージャ層の迅速な判断をサポートします。また、現場担当者向けには類似検索および全文検索機能を提供しています。類似検索ではチケットの内容を自動分析し、類似チケットをスコア順に表示します。全文検索機能ではシステム横断的にキーワードを検索することができます。これらの機能により属人的になりがちな様々なナレッジをより積極的に活用することができます。

図6

③組織外のパートナーやユーザーとの連携を促進するため、外部ツールや外部情報と連携できるか

ITIL4では、業務を効果的するために4つのディメンジョンを考慮すべきと定義しています。その中に「パートナーおよびサプライヤ」があり、ITILV3よりもさらに他組織との連携を取り上げています。パートナーとは責任の明確化に加え目標やリスク共有して共に成果達成を目指す柔軟なパートナシップが望ましいとあります。PinkVERIFYの審査でも、コミュニケーションの効率化や外部システムとの連携を求める項目が複数あります。

■SenjuFamilyによるソリューション

Senju/SMはWebAPIによる柔軟な連携が可能です。チャットツールやCTIツールとの連携によるコミュニケーションの効率化やRPAツールとの連携による業務自動化を実現します。他にも外部セキュリティ機関の脆弱性対策情報を自動取得し構成管理情報と紐付けたり、特権ID・アクセス管理システムと連携して本番システムへのアクセス管理をシームレスに行うなど、柔軟にソリューションを構築することができます。

図7

ここでは例を3点挙げましたが、ITIL 4ではスコープが広くなりITSMツールに対してより柔軟な対応を求めています。 Senju Familyは自社開発の強みを活かし、継続的に機能追加を行いながらこれらの要望に応えていきます。

PinkVERIFYTM ITIL 4については次のURLをご参照ください。
https://www.pinkelephant.com/en-us/PinkVERIFY/PinkVERIFY-ITIL-4-Toolsets

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