決済サービスを支える運用監視基盤をSenju Familyで統一
運用監視の内製化やインシデント対応の高速化を実現
株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス様
株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス(以下、TMN)は、オンプレミスとクラウド(AWS)環境をシームレスに包括し、システム監視の自動化・自律化を実現する基盤として、株式会社野村総合研究所(以下、NRI)が提供するシステム運用管理ツール「Senju/DC」及び統合運用管理ツール「Senju/EN」を導入。各システムの監視とジョブ管理の標準化を推進するとともに、複数のアラートの相関的な判断による自動インシデント通知により、加盟店や決済事業者に対する迅速な情報連携及び早期対応を実現した。
これまでの課題
キャッシュレス決済インフラから情報プロセシングまで幅広く事業を展開
三菱商事とトヨタファイナンシャルサービスの合弁会社として2008年に設立されたTMN。「新しい生活を生み出す会社。」のビジョンのもと、キャッシュレス決済ソリューションやマーケティングソリューションを展開。クラウド(シンクライアント)型の電子マネー決済インフラを業界でいち早く商用化して以来、決済端末の低コスト化や運用の簡易化といった優位性を活かし、業界をリードしてきた。
現在は電子マネーに加え、クレジットカードやQRコード、ハウスプリペイドなど、幅広いキャッシュレス決済のゲートウェイ/業務代行サービスを提供している。トータルの決済処理金額は年間換算約2.7兆円(2020年10月時点)、累計接続端末台数も約70万台(2021年3月末時点)に達し、今後も拡大していく見込みだ。
さらにキャッシュレス決済インフラの提供だけにとどまらず、データを活用した情報プロセシング事業にも取り組んでいる。具体的には、決済データと物流データ、ECデータ、生活・環境・ヘルスケアデータ、モビリティデータ、小売データなど、多様なデータをつなぐことで新たな価値を生み出し、マーケティングや新たな事業・商品・サービスの展開に役立つ情報を、安全かつ柔軟に連携・分析する仕組みを提供する。
その一環として2020年4月に「nextore(ネクストア)」を提供開始。決済や売上管理などのサービスをプラットフォーム化し、金融機関やPSP(Payment Service Provider)事業者が顧客や加盟店のデジタル化を支援する仕組みを一括で提供している。
また、流通ソリューションへ事業領域を拡大すべく、クラウドPOS事業に新たに参入。すでに販売活動を開始しており、2022年度から本格なサービス展開を予定している。
導入効果
インシデント対応のリードタイムが長時間化、システム監視の内製化で時間短縮を図る
右肩上がりの成長と事業拡大を続けているTMNだが、システム監視の複雑化に頭を悩ませていた。
同社 システム運用部 設計改善グループ グループマネージャーの菊地 美知宏氏は、「事業規模の拡大や提供するサービス契約件数の増加により、当然のことながらインシデントの発生件数が増えていきます。当社では、キャッシュレス決済のコアとなるシステムをオンプレミスのデータセンターで運用しているのですが、システム監視、ジョブ管理、ネットワーク監視、インシデント管理など、さまざまなベンダーのツールが乱立し、属人化が進んでいました。また、決済基盤はオンプレミス、ユーザー側に関わる部分はパブリッククラウドという仕組みになっており、社内での運用体制もバラバラでした。これらにより、障害発生時の初動対応に多大な時間を要していました。加えて、一部業務は外部委託していたことから、障害対応のリードタイムが長時間化する傾向も見られました」と語る。
また、インシデント発生時の対処プロセスについても課題があったとのこと。
「以前は、複数の監視ツールを用いた運用を行っており、各監視ツールから出力されるアラートに対して、人手で影響範囲の判断、原因の特定などを行い、その情報共有をメールベースで行うなど、オペレーションがアナログでした。そのため、インシデントを見落としたり、連絡が遅れたり、原因の特定に時間がかかったりといった弊害が出ていました」(菊地氏)
これらの課題の改善策として同社が打ち出したのが、「乱立したツールを統一してシステム運用を内製化する」という方針だ。これに基づき2018年に導入したのが、NRIが提供するシステム運用管理ツール「Senju/DC」と総合運用管理ツール「Senju/EN」である。
「もともと当社では、運用に関してNRIよりコンサルティングを受けており、ハウスプリペイドの基盤構築でもNRIの関連会社に協力をいただいた経緯があります。NRIは当社の業務を熟知しており、またSenju Family自体も多くの企業での導入実績があることから導入を決めました」と菊地氏は語る。
Senju Familyの数ある機能の中でも特に注目したのがSenju/ENの「Ruleエンジン」だ。同社 システム運用部 設計改善グループの後藤 竜也氏は、「Ruleエンジンは、サーバー、ネットワーク、ストレージ、セキュリティなど、各システムに配置した管理ツール(アダプタ)から自動的に上がってくるインシデント情報に対して多段階のフィルタリングを行い、必要な情報のみを抽出する機能です。これにより、当社のこれまでの運用実績をもとにRuleを設定することが可能になるほか、オペレーションチームの工数削減に大きな効果を発揮すると期待していました」と語る。 同社では、まずキャッシュレス決済サービス事業にSenju Familyを適用し、2019年頃から本格的に展開を開始。その後、nextoreをはじめとするWeb系のフロントサービスをアマゾン ウェブ サービス(AWS)上で稼働することになった。
同社では、ハイブリットクラウド環境の統合監視にもスムーズに対応できることを高く評価している。
同社 システム運用部 設計改善グループの大島 翔太氏は、「AWSのシステムも既存のオンプレミスと同様に運用していく必要が出てきましたが、個別に運用すると複数の管理ツールが乱立していた以前と同様にオペレーションが分断され、属人化を繰り返してしまう恐れがありました。一方 Senju/DCは、EC2(サーバー)やS3(ストレージ)、RDS(データベース)など、AWSの各サービスを統合的に監視できます。つまり、オンプレミスの運用管理体制の延長でクラウド管理を行えるのです。このように、オンプレミス環境及びAWS環境における運用基盤をSenju Familyに統一したことで、監視・ジョブ運用の標準化と管理運用の属人化解消を実現しました。さらに2020年にリリースされたバージョンでは、コンテナ管理の機能もサポートされ、開発チームとオペレーションチームが緊密に連携するDevOps基盤を提供することが可能となりました」と語る。
インフラ環境を問わないシステム運用体制を構築、インシデント通知が約80%削減しリスクが最小化
Senju Familyによって実現された、オンプレミスからクラウドまで一貫した新たなシステム運用の体制は、多くの改善効果をもたらしている。まずは、Senju/ENによるインシデント通知の集約・削減だ。
「自動的なフィルタリングにより対処しなければならないインシデント件数が、従来比で約80%削減されています。これに伴い、開発チームにエスカレーションする件数も大幅に削減され、現場担当者たちから『本来の開発業務に専念できるようになった』と、喜びの声が寄せられています」(後藤氏)
また、インシデント通知が集約・削減されたことで、システム運用業務の外部委託が不要となり、ジョブ管理の完全な内製化によるコスト削減も実現した。後藤氏は「Senju Familyの導入コストも2~3年で回収できそうです」とコスト削減効果を見込んでいる。
さらに、従来では十数分の時間を要していたインシデントの通知が、わずか数秒にまで大幅に短縮されたことも大きな成果だ。「インシデントの通知が早くなればなるほど、その分だけ初動対応が迅速に行えるようになるため、影響範囲の最小化が可能になります」と後藤氏は言う。
またインシデント通知はオペレーションチームだけでなく、同社のサービスを利用する加盟店や決済事業者などのユーザーに対しても行われる。これは複雑なインシデント情報を自律的に判断し、さまざまなイベントに対応するアクションを自動実行する Senju/ENとServiceNowのAPI連携によって実現したものだ。
「万が一障害が発生した場合、その状況を迅速にお知らせすることが、結果的に顧客満足度の向上につながります。Senju/ENとServiceNowをAPI連携させたことで、システムで複数のアラートを相関的に判断し、インシデントと判断した際は自動で加盟店に通知が行く仕組みになりました。これにより、情報連絡の迅速化や対応の効率化、ひいてはシステム管理者の負担軽減を実現しました」(菊地氏)
今後の展望
トラブルの初動対応の自動化に向け、パブリッククラウドとの機能連携の強化を推進
TMNは、 Senju Familyを活用したシステム運用の自動化をさらに進めていく考えだ。
「直近の取り組みとしては、Syslogサーバーに障害が起こって無応答状態になったときに、代替サーバーに処理を自動的に切り替える仕組みを実装しました。同様にトラブルが発生した際の初動対応を Senjuで自動実行し、自律的に問題を解決していくような仕組みを拡充していきたいと考えています」(大島氏)
後藤氏は「AWS上で稼働するWebアプリケーションの拡充、コンテナを活用したマイクロサービス化などが加速していく中で、AWSからオンプレミスまで一貫した自動化への取り組みは欠かせません」と語る。
さらにその先で同社は、AWS Lambdaによるサーバーレスアーキテクチャーも活用していきたいという意向を持っている。
「こうした新技術へのSenju Familyの早期対応や機能強化を大いに期待するところです」(菊地氏)
TMNは、今後もNRIと手を携えながら、キャッシュレス決済サービスおよび情報プロセシング事業を支えるインフラを高度化させていき、さらなる高信頼かつ高効率なシステム運用の実現へと向かっていくことだろう。
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